研究概要 |
1)単頭ミオシンVの調製とその運動解析 目的:ミオシンVが1ATP当たり400nm運動するという我々の以前の推定をより直接的に証明する。また、単頭ミオシンVでもプロセッシブに運動するかどうかを明らかにする。 単頭ミオシンV(S-1V)の調製:いくつかのProteaseを試み、+Caの条件で頸部からカルモジュリンを解離させProteinase K処理すると、95kDaの頭部と頸部をもつ単頭ミオシンVが調製できることを見出した。 運動解析:S-1Vはアクチンとの親和性がミオシンVよりもずりと低く,ATP存在下での運動は極めて稀にしか観察されなかった。基質としてUTPを用いると親和性が増大し、運動が多く観察された(解離する確率の方が多いが)。運動の向きがひとつのトラック上で同一であることから、運動はブラウン運動ではない。故に、単頭でも運動すると結論された。平均Run Lengthは300mmであった。解離する確率が高いことから、この運動が複数のUTP分解によるとは考えられない。また、結合している時間がUTP1分子を分解するに要する時間にほぼ等しいことから、1UTP当たり300mm運動すると結論される。 2)ミオシンVの高速AFMによる動態撮影 目的:トラック上をプロセッシブに運動するミオシンVの姿を映像として捉えることを最終目標とする。 観察:ミオシンV単独の場合のダイナミックな動態を撮影することに成功した。フレームレート12.5/sである。ATPの添加で頸部が曲がり、ストークが回転するような映像を得ることができた。
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