研究課題/領域番号 |
12480204
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
西川 建 国立遺伝学研究所, 生命情報・DDBJ研究センター, 教授 (10093288)
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研究分担者 |
小林 薫 (深海 薫) 国立遺伝学研究所, 生命情報・DDBJ研究センター, 助手 (20225494)
芝 清隆 (財)癌研究会, 癌研究所・蛋白創製研究部, 部長 (40196415)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | ペリプラズム結合タンパク質 / 分子進化 / 人工タンパク質デザイン / 進化工学 / 折れたたみパターン / キメラタンパク質 / アセンブリーPCR法 / タンパク質立体構造 |
研究概要 |
ペリプラズム結合タンパク質は立体構造の折れたたみパターンにより、タイプ1とタイプ2の2群に分類される。タイプ1からタイプ2への変化は進化のある一時点で「ストランドの入れ換わり」により起こったと推察される。この変化の要因を探るため、人工的にストランドの入れ換わりを起こし、タイプ1の機能を持ち、タイプ2のフォールドを持つキメラタンパク質の創出を試みた。立体構造の比較に基づき、大腸菌のタイプ1タンパク質(Mg1BならびにAraF)由来の2断片と、タイプ2タンパク質(ArgT)由来の2断片がキメラとなった人工タンパク質を作成した。CDスペクトル測定により部分的に2次構造を保持していることは確認されたが、平衡透析法でキメラタンパク質のリガンド結合能を測定した所、野生型と比べ大幅に減少していることが分かった。ファージディスプレイ法によりリガンド結合能の回復を試みたが、非特異的な吸着が強く、期待したリガンド結合能を持つクローンを得ることは出来なかった。そこでタンパク質立体構造の形成過程(フォールディング)を考慮して人工タンパク質の設計を見直すことにした。まず、Mg1B(タイプ1)・ArgT(タイプ2)のフォールディングの違いを尿素濃度勾配ゲル電気泳動、ゲルろ過クロマトグラフィー、ANS蛍光測定を用いて調べ、ArgTの方がMg1Bよりも複雑なフォールディング過程を有することを明らかにした(J.Biochem 133:371)。次いで、2断片を入れ替えたキメラタンパク質、1断片のみを別のタイプに置換したキメラタンパク質のフォールディング過程を比較した結果、立体構造の保存性の良い部分を1断片入れ替えたキメラタンパク質のいくつかが協同的なフォールディングを示した(投稿中)。現在、これらのキメラタンパク質を試験管内進化系で改変し組み合わせることで、2断片を置換したキメラタンパク質の作成を試みている。
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