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2001 年度 実績報告書

膜リン脂質の配向性制御分子の同定とその機能についての研究:細胞の形態形成における役割に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 12480220
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

梅田 真郷  財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10185069)

研究分担者 榎本 和生  財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (80300953)
伊藤 康一  財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30291149)
キーワードリン脂質 / 細胞骨格 / 脂質二重層 / 細胞膜 / 細胞分裂 / アクチン / 分裂溝 / ホスファチジルエタノールアミン
研究概要

脂質の膜ダイナミクスが、膜系と細胞骨格系とのクロストークに介在している可能性が明らかになってきた。本年度は、形質膜上におけるPEのトポロジー変化をセンスし、それをアクチン骨格の重合・脱重合を制御する分子群に伝達するメカニズムを明らかにする目的で、様々なアクチン制御因子の関与について検討を行なった。その結果、PE結合ペプチドにより分裂溝膜表層に現れたPEをトラップすると、アクチン線維と共に低分子量Gタンパク質RhoGTPaseが分裂溝部分に残存していることが明らかになった。RhoGTPaseは細胞分裂期において分裂溝に局在し、分裂溝におけるアクチン線維(収縮環)の重合・収縮および安定化を制御している。通常、Rhoは分裂後期(anaphase)においてGDP結合型(不活性型)からGTP結合型(活性型)に変換されることで分裂溝膜に移行して多様なエフェクター分子群を活性化し、分裂終期(telophase)が終了すると速やかにGDP結合型に変換されて細胞質に移行することが明らかにされている。そこで次に、分裂溝上に残存しているRhoが活性型か否かを明らかにするために、GST-rhotekinを用いたpull down assayを行なったところ、PE結合ペプチドを添加した分裂細胞では、分裂終期終了2時間後においてもRhoはGTP結合型であること、更にPE結合ペプチドを除くと速やかにGDP結合型に変換されることが明らかになった。この結果は、PEの膜トポロジー変化は、分裂溝膜部分におけるRhoGTPaseの活性化もしくは膜へのアッセンブリー制御を介して、アクチン骨格の制御を行なっている可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Abe, H.et al.: "Anti-apolipoprotein A-I autoantibody : Characterization of monoclonal antibodies established from patients with systemic lupus erythematosus."J. Rheumatol. 28. 990-995 (2001)

  • [文献書誌] Harada.A., et al.: "Nadrin, an novel neuron-specific GT Pase activating protein, implicated in regulatec exocytosis."Neurosci. Res.. 24. 89 (2001)

  • [文献書誌] Emoto, K., Umeda, M.: "Apoptosis by phosphatidylserine in mammalian cells"Subcell. Biochem. Review. 36. 61-71 (2001)

  • [文献書誌] 梅田真郷: "膜脂質のダイナミクスと細胞機能・疾患"ファルマシア. 37. 124-128 (2001)

  • [文献書誌] 小林英司, 梅田真郷: "シマミミズの生理活性蛋白質、ライセニン"蛋白質核酸酵素. 46. 455-462 (2001)

  • [文献書誌] 榎本和生, 梅田真郷: "脂質のダイナミクスと細胞骨格制御"生化学. 73. 366-370 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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