研究概要 |
本年度においては,以下の遺伝子をRNAi法でノックアウトし,機能解析を行った。 1.DjotxA 脳そのものの形態形成は外見上正常に起きるものの,視細胞の形成ができなくなった。 ただし,眼の色素細胞は正常に形成され,DjotxAは眼の視細胞の形成に不可欠な遺伝子であることが明らかとなった。 2.DjotxB 脳および眼については外見上正常に起きたが,視神経の走行に一部異常が検出された。 3.Djotp 脳および眼については外見上正常に起きたが,視神経の樹状突起の形態に一部異常が検出された。 4.Djsyt 正常に脳は形成され,外界の刺激に対しても正常に反応した。ただし,光を当てると頭部が溶けるという意外な反応が再現性高く検出された。 5.DjPC2 正常に脳は形成されるものの,光やエサに対する反応が一切行われなくなった。 また,以下の形態形成関連遺伝子を同定したので来年度においてRNAi法にて機能解析をする予定である。 1.DjBMPRI BMPのtypeIレセプターと相同な遺伝子。間充織全体に発現細胞あり。 2.DjBMPRII BMPのtypeIIレセプターと相同な遺伝子。間充織全体に発現細胞あり。 3.Djnoggin 無脊椎動物で初めて同定されたnoggin様の遺伝子。脳の一部と切断面に突発的な発現がみられる。 4.Djslit 脳神経突起の間で発現し,脳の分節構造形成に関連していることが期待される。 5.Djnetrin 脳と腹側神経束の結合部分に発現細胞がみられ中枢神経系の形成に重要な機能をもっていることが着たいされる。 6.DjRAR レチノイン酸レセプター。プラナリアではレチノイン酸は再生に影響を与えないので,そのレセプターの機能は不明である。
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