研究概要 |
本研究の目的 今までにプラナリアから単離したOtx, FGFR, BMPR, vasaといった形態形成慣例遺伝子をRNAi(RNA干渉法)で遺伝子ノックアウトし、これらの遺伝子群がプラナリアの再生過程のどのようなステツプに関与しているのかを明らかにする。また、上記以外の形態形成関連遺伝子についてもクローニングし、RNAiによる遺伝子ノックアウト・プラナリアの作成を行う。 研究の成果 すでにクローニングされている形態形成関連遺伝子のノックアウト DijotxA, DjotxB, Djotp:3種のOtx関連遺伝子ともノックアウトしても形態的には正常にみえる脳を再生してしまった。ただし、DjotxAについては視神経の形成不全が認められた。 DjFGFRI, DjFGFRII(FGF受容体):再生は普通に行われたが、両方ともノックアウトしたプラナリアで、FACS解析で幹細胞の分画が有為に増える現象が観察された。 DjBMPRI, DjBMPRII : BMPR:両方ともを同時にノックアウトしたプラナリアで過剰な眼の形成が観察された。 DjvlgA(Vasa):現在までに特に顕著な表現型は得られていない。 新規にクローニングされた形態形成関連遺伝子のノックアウト DjFoxA(Fox):ノックアウトしても咽頭を再生してしまい、特に異常は認められなかった。nou-darake(FGFR-like):ノックアウトすると全身に脳ができるという衝撃的な表現型が得られた。さらに驚くべきことに、FGF受容体の2種の遺伝子も同時にノックアウトすると脳だらけになる表現型が解消されてしまうことも見出した。 Djnlg(noggin-like):2本鎖RNAの合成ができずに実験できず。 DjSu(H):現在までに特に顕著な表現型は得られていない。
|