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2001 年度 実績報告書

分泌型プリオン蛋白の遺伝子導入マウスモデルの樹立と感染実験

研究課題

研究課題/領域番号 12480224
研究機関東北大学

研究代表者

北本 哲之  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20192560)

キーワードプリオン病 / プリオン蛋白 / 分泌型 / GPI型 / トランスジェニックマウス / ノックインマウス
研究概要

本研究の目的は、通常GPIアンカーを有するプリオン蛋白のGPIアンカーシグナルを無効にさせるナンセンス変異を導入し、分泌型プリオン蛋白を発現するトランスジェニックマウスモデルを作製することにある。既に、我々の研究室では、マウスのプリオン蛋白のコドン231をストップコドンとしたトランスジェニックマウスを作製し、多数のアミロイド斑をもつトランスジェニックの開発に成功した。この分泌型マウスプリオン蛋白は、非常に低い発現しか示さない系統では、感染因子接種後の潜伏期間を150日から90日に劇的に短縮することが分かっていたが、その後ほぼ等量近い発現量のマウスの系統が分離でき、潜伏期間を測定した結果潜伏期間の延長を示した。つまり、発現量の上昇にともないプリオン蛋白の異常化を阻害するという結果が得られたのである。今年度は分泌型のヒト型プリオン蛋白を導入し、すでに作製していたヒト型のプリオン蛋白のGPI型を有するノックインマウスと交配し、ヒトのプリオン感染を行ったところ、アミロイド斑の形成を認めることが明らかになった。さらに、驚くべきことに、英国の新型CJDの感染実験では、GPI型プリオン蛋白の単独発現に比較して、分泌型プリオン蛋白を同時に発現させると短期間にアミロイド斑が形成できることが明らかとなった。来年度は、さらにヒト型の多型性を導入したモデルマウスを作成し、より高い感度のモデルマウスの樹立を予定している。分泌型プリオン蛋白の遺伝子導入モデルは、予想をはるかに越えたモデル動物となっており、診断・治療としての特許性も出てきた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 田中智之, 北元憲利, 村本 環, 藤井秀治, 坂本晴彦, 吉田宗平, 辻 力, 北本哲之: "ヒト型プリオン蛋白のコドン219 polymorphismを認識する新しい単クローン抗体の作成-その診断的価値-"臨床と病理. 19 no.1. 91-93 (2001)

  • [文献書誌] Mariko Yamashita, Toru Yamamoto, Kazuto Nishinaka, Fukashi Udaka, Masakuni Kameyama, Tetsuyuki Kitamoto: "Severe brain atrophy in a case of thalamic variant of sporadic CJD with plaque-like PrP deposition"Neuropathology. 21. 138-143 (2001)

  • [文献書誌] Jun Tateishi, Tetsuyuki Kitamoto, Shirou Mohri, Sakae Satoh, Tetsuo Sato, Ailsa Shepherd, Malcolm R.Macnaughton: "Scrapie Removal using Planova Virus Removal Filters"Biologicals. 29. 17-25 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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