研究課題/領域番号 |
12480235
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
桝 正幸 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (20243032)
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研究分担者 |
高橋 智 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50271896)
塩見 健輔 筑波大学, 基礎医学系, 助手 (00311598)
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キーワード | フロアープレート / トランスジェニックマウス / 神経パターン形成 / スルファターゼ |
研究概要 |
フロアープレート細胞は、発生期の神経パターン形成において重要な役割を果たしている。本研究は、フロアープレート細胞に特異的に発現する遺伝子として我々が同定した新規のスルファターゼsulfFP1とオートタキシンの生体内での機能をトランスジェニックマウスを用いて解析する事を目指している。 ラットのsulfFP1は、870アミノ酸から成る新規のスルファターゼで、既知のスルファターゼとN末の酵素活性部位で保存性が高い。sulfFP1蛋白は、ゴルジ体と小胞体に局在し、一部の蛋白質は細胞外にも存在する事から、sulfFP1は蛋白質の合成過程または細胞外で働くと考えられる。sulfFP1mRNAは、フロアープレートの他、脳室脈絡叢、軟骨形成部位などに発現している。最近、ウズラの相同遺伝子Qsulf1がWntシグナル伝達の調節に関与する事が報告された。我々もゼブラフィッシュで相同遺伝子を阻害すると発生初期に形態形成異常が起こる事を明らかにしている。 オートタキシンは、2型の膜蛋白質で、細胞外にフォスフォジエステラーゼの活性部位EFハンドモチーフ等を持つ。我々は、膜型オートタキシンから、細胞外領域が切断された酵素活性を持つ分泌型蛋白が生成される事を明らかにした。オートタキシンmRNAもフロアープレート、脳室脈絡叢、骨形成部位に発現が強い。 本年度は、全身にsulfFP1、オートタキシンcDNAを強制発現させたトランスジェニックマウスを作成し、表現型を解析する事を目標とした。これまでにコントロール実験も含めて4種のコンストラクトを計14回、マウス受精卵にマイクロインジェクションし、13匹のトランスジーン陽性マウスを同定した。現在これらのマウスからF1世代を作成し、トランスジーンの発現を確認している所である。全身にトランスジーンを発現するマウスが得られたならば、その表現型の解析を始める予定である。
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