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2001 年度 実績報告書

前頭皮質・線条体システムのシナプス結合の定量的解析

研究課題

研究課題/領域番号 12480242
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

川口 泰雄  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (40169694)

研究分担者 根東 覚  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (20301757)
キーワード前頭皮質 / 前脳基底部 / 抑制性シナプス電流 / GABA / 介在ニューロン / アセチルコリン / ムスカリン / カルバコール
研究概要

前脳基底部からの大脳皮質へのコリン作動性入力は皮質の周期的・同期的活動に影響する。皮質内のGABAによる抑制がアセチルコリンによってどのような影響を受けるかを調べるために、スライス標本でラットの前頭皮質細胞からホールセル記録を行い、コリン作働性のアゴニストであるカルバコールやムスカリンによってGABA作働性の抑制性シナプス電流がどのように変化をするかを検討した。カルバコールやムスカリンは抑制性電流の頻度を上昇させたが、増加の時間的パターンには二種類あることがわかった。一つはアゴニストを与えている間、増加した抑制性電流がほぼ定頻度で出現するもので、もう一つは抑制性電流が平均して0.2ヘルツ(0.1から0.3ヘルツ)で周期的に増大するものである。後者の周期的に起きる抑制性電流のバーストの持続は平均2.2秒(1.2から4.3秒)で、バーストの中の単一シナプス電流の頻度は24ヘルツ(6から69ヘルツ)であった。どちらの抑制性電流の増加も、ムスカリン受容体、M1受容体の拮抗薬であるアトロピン、ピレンゼピンでそれぞれ抑えられたが、興奮性グルタミン酸受容体の拮抗薬では影響を受けなかった。近傍にある二個の皮質細胞の周期的増加は、バーストの開始や終了はずれることがあるがほぼ同期していた。一方、二個の細胞のバースト中の個々のシナプス電流の開始点の相互相関を調べると低かった。従って、複数のGABAニューロンがバースト期間中に同期して発火するが、バーストを起こすGABAニューロン間でスパイク発射レベルの時間的同期はしていないと考えられる。皮質の抑制性ニューロン群には、興奮性ニューロンとは独立に0.1から0.3ヘルツのリズムをつくる機構が皮質内に内在的にあると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kawaguchi Y.: "Distinct firing patterns of neuronal subtypes in cortical synchronized activities"J. Neurosci.. 21. 7261-7272 (2001)

  • [文献書誌] Kondo S., Kawaguchi Y.: "Slow synchronized bursts of inhibitory postsynaptic currents(0.1〜0.3. Hz)by cholinergic stimulation in the rat frontal cortex in vitro"Neuroscience. 107. 551-560 (2001)

  • [文献書誌] 川口泰雄: "親パッチクランプ実験技術法"吉岡書店. 118 (2001)

  • [文献書誌] 131:

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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