研究課題/領域番号 |
12480243
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
吉原 良浩 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, チームリーダー(研究職) (20220717)
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研究分担者 |
船木 敦子 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, テクニカルスタッフ(研究職)
斉藤 美知子 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, テクニカルスタッフ(研究職)
宮脇 敦史 理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, チームリーダー(研究職) (80251445)
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キーワード | WGA / 経シナプス性トレーサー / GFP / 小脳遠心性経路 / 嗅覚経路 / シナプス形成 / 可視化 / 神経回路網 |
研究概要 |
申請者らは最近、WGAトランスジーンによる経シナプス性選択的神経回路トレーシング技術を開発した。これは機能的に関連した神経細胞間の配線パターンを明確かつ再現性良く可視化できる新手法であり、神経科学研究におけるブレークスルーをもたらしつつある。しかしながら現在まで機能的神経回路を観察するために、抗WGA抗体を用いた免疫組織化学法によってWGA遺伝子産物(WGA蛋白質)の局在を検出しており、以下のような点が短所として挙げられる。 (1)生きたままの動物あるいは生きたままのニューロンにおいての観察ができない。 (2)抗WGA抗体を用いた免疫組織化学的染色法は非常に操作がが煩雑で、熟練した技術を要する。 (3)異なったタイプの神経細胞を起点とする複数の神経回路を同一個体で分離して観察することは不可能である。このような問題点を克服するために、GFPなどの蛍光蛋白質をタグとしてWGAに融合させるという着想に至った。このような融合遺伝子産物が、GFPの蛍光を保ったまま経シナプス性も神経細胞間を輸送されれば上記(1)および(2)を解決できる。また異なった蛍光色の蛋白質(GFP、CFP、YFPなど)を用いることによって、複数の神経回路を違った色で可視化でき、(3)の問題点も克服できると期待される。 平成12年度において申請者らはWGA-GFP遺伝子、WGA-CFP遺伝子、OMP-WGA-GFPトランスジェニックマウス、L7-WGA-GFPトランスジェニックマウス、OMP-CFP-WGAトランスジェニックマウスを作製し、融合遺伝子産物の神経細胞内および生体内での詳細な挙動を現在解析中である。
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