研究課題/領域番号 |
12480246
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小澤 瀞司 群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)
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研究分担者 |
飯野 昌枝 群馬大学, 医学部, 助手 (20008329)
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キーワード | 小脳 / ベルグマングリア / AMPA受容体 / GluR2 / Ca^<2+>透過性 / アデノウイルス / 突起伸展 / シナプス伝達 |
研究概要 |
小脳のベルグマングリアでは、AMPA受容体サブユニットのうち、GluR1とGluR4のみが発現しており、GluR2の発現が欠落している。従って、Ca^<2+>透過性AMPA受容体のみが形成されている。ベルグマングリアにおけるCa^<2+>透過性AMPA受容体の機能的意義を明らかにするため、GluR2 cDNAを組み込んだ組換えアデノウイルスを作製して、ベルグマングリアにGluR2を強制発現させることを試みた。アデノウイルスはグリアに対して高い親和性をもつため、この組換えウイルスを用いることにより、きわめて効率よく、グリアにGluR2を発現させることができた。 ラット小脳から作製した単層培養ベルグマングリアを対象とした実験では、この方法によりCa^<2+>透過性AMPA受容体をCa^<2+>非透過性受容体に変換すると、グリアの突起は退縮することがわかった。また、Ca^<2+>透過性AMPA受容体の活性化は突起伸展をもたらすが、この際AMPA受容体を介するCa^<2+>流入によるCaMKII(calcium-calmodulin kinase II)の活性化が必要であることがわかった。 また、ラット小脳皮質にこの組換えウイルス注入し、GluR2を強制発現させ、Ca^<2+>透過性AMPA受容体をCa^<2+>非透過性AMPA受容体に変換した。正常状態では、平行線維、登上線維とプルキンエ細胞の樹状突起棘間で形成されるグルタミン酸性シナプスはグリアの突起により完全に包囲されているが、この操作により、グリアの突起が退縮し、グリアのグルタミン酸トランスポーターによるシナプス間隙からのグルタミン酸の清掃が著しく遅れ、平行線維、登上線維刺激により発生するEPSCの下降相の時間経過が遷延した。 以上の結果から、グリアのCa^<2+>透過性AMPA受容体の活動が、グリアの突起の形態形成を制御し、シナプス伝達に影響することが明らかになった。
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