研究課題/領域番号 |
12480248
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
森 匡 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30230072)
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研究分担者 |
高橋 芳幸 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70167485)
松本 健一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30202328)
吉田 郁也 北海道大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (90240275)
鈴木 啓太 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助手 (60261335)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | ブタ / 卵子 / 胎子 / イノシトール3リン酸 / カルシウム波 / ホスフォライペースC / 核移植 / 緑色蛍光遺伝子 |
研究概要 |
イノシトール3リン酸(IP3)は受精時哺乳類卵子を活性化するのに重要だと言われている、そしてその活性化にはCaイオン濃度の上昇を伴う。それゆえ、IP3は卵子の人為的活性化因子として利用されうる。この研究では、ブタ成熟卵子にIP3を注入して、Caイオン濃度の上昇を伴うとともに、胚発生率も高めることを観察した。しかし、生体内で実際受精された卵子は、一過性のCaイオン濃度の上昇を引き起こすだけでなく、何度も波のように繰り返しCaオシレーションという現象を引き起こす。長い間、このCaオシレーションを引き起こす精子側の卵子活性化因子の存在は明らかになっていなかった。最近になって、マウスとヒトにおいて、IP3を産生するホスフォライペースC(PLC)という酵素で精巣にのみ検出されるのアイソフォームが発見された。私たちは、ブタにおいてこのPLC遺伝子をクローニングし、現在解析中である。これらの卵子活性化の基礎的研究をふまえて、核移植胚の発生学的解析を行った。すなわち、体細胞由来核の指標として、緑色蛍光を発色するEGFP遺伝子を指標に、ブタ卵子へ核移植を行った。この核移植卵子のin vitroでの発生は、コントロールの正常卵子と比較して、何ら変わらなかった。このことは、少なくともEGFP遺伝子の発現は、ブタ卵子にとって有害でないことを意味する。しかしながら、このEGFP遺伝子も持つ体細胞由来核移植胚をミニブタ子宮に戻して胎子の産生を試みたが、残念ながらEGFP遺伝子を発現する胎子は得られなかった。
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