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2001 年度 実績報告書

血管内皮細胞の力学応答とアクチンフィラメントのダイナミックス

研究課題

研究課題/領域番号 12480257
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 正明  東北大学, 大学院・工学研究所, 教授 (30111371)

研究分担者 大橋 俊朗  東北大学, 大学院・工学研究所, 助手 (30270812)
松本 健郎  東北大学, 大学院・工学研究所, 助教授 (30209639)
キーワードバイオメカニクス / せん断応力 / 内皮細胞 / アクチンフィラメント / GFP / FAT / インテグリン / 有限要素法
研究概要

血管内皮細胞の力学応答機構を明らかにするため今年度は主として2つのテーマについて研究を実施し,以下の成果を得た.
1.GFP/アクチン遺伝子導入によるアクチンフィラメントの動的挙動の観察
培養した内皮細胞にせん断応力を負荷することによって、生きたままの細胞内のアクチンフィラメント動的挙動を詳細に観察することができた.細胞が静置培養時に多角形状をしている際に,細胞周囲に多く存在していた細かいアクチンフィラメントの束は,流れ負荷によって再配列をし,新たな構造を形成した.このような現象は特に細胞の上流側と下流側で顕著であった.また,アクチンフィラメントの重合を阻害するサイトカラシンDを投与するとアクチンフィラメントが収縮する現象を詳細に観察することができた.これにより,アクチンフィラメントがゴム状の強い粘弾性を有していることが推測された.アクチンフィラメントの動きにはその足場となるインテグリンが強く関与している可能性があり,インテグリンとアクチンが接着に関与している蛋白であるFAKの一部のFAT(focal adhesion tragetting)にGFPを接合させてその力学応力も観察した.その結果,細胞の形状応答に独特の変化が観察されると共に,アクチンフィラメントの配列を左右すると思われる興味深い現象を観察した.今後,アクチンフィラメントとFATの動きを同時に観察していく予定である.
2.内皮細胞の力学応答に関する有限要素モデル解析
内皮細胞の有限要素の詳細なモデルを作成し、解析を行った.モデルでは,内部の骨格構造を模擬したものと,細胞の大変形を考慮した2種類である.いずれもせん断応力負荷による流体一構造連成解析である.その結果,細胞の応力分布に反応して細胞骨格が発達してくることが予想された.今後,さらに詳細な解析アルゴリズムを検討して,この問題を発展させていく予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 斎藤正明: "せん断応力負荷と血管内皮細胞内アクチンフィラメントの再配列"第24回日本バイオレオロジー学会年会抄録集. 37 (2001)

  • [文献書誌] 露木 啓: "せん断応力負荷時の単一内皮細胞内アクチンフィラメント構造変化の実時間観察"第12回バイオエンジニアリング学術講演会論文集. 85-86 (2001)

  • [文献書誌] T.Ohashi: "Analysis of local mechanical properties of sheared endothelial cells measured by atomic force microscopy"Proc. ASME 2001 Summer Bioengineering Conference. BED-50. 159-160 (2001)

  • [文献書誌] 大橋俊朗: "液体一構造連成解析による流れ負荷培養内皮細胞の構造最適化シミュレーション"日本数値流体力学会. 印刷中.

  • [文献書誌] N.Sakamoto: "Effect of magnetic field on nitric oxide synthesis of cultured endothelial cells"International Journal Applied Electromagnetics and Mechanics. 印刷中.

  • [文献書誌] 佐藤正明: "細胞のバイオテオロジー -細胞の形態を決定する構造因子は?-"日本バイオレオロジー学会誌. 15・2. 35-37 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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