研究課題/領域番号 |
12480268
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
酒井 宏水 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (70318830)
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研究分担者 |
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00206385)
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80051704)
土田 英俊 早稲田大学, 理工学部, 名誉教授 (90063461)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 微小循環 / 酸素輸液 / ヘモグロビン小胞体 / レーザー共焦点顕微鏡 / 代謝過程 / 非侵襲観測法 / 診断法 / メトヘモグロビン |
研究概要 |
人工赤血球:ヘモグロビン(Hb)小胞体が細網内皮系で捕捉される過程を、レーザー共焦点顕微鏡を利用して動的観測した。Hb小胞体および血漿相を蛍光色素でラベルし、麻酔下ハムスターに負荷投与した。腹部を切開し肝臓を露出させ肝表面をin situ観測し、Hb小胞体が類洞血管内の血漿相を流れる様子と、投与直後から次第にこれが貪食細胞に捕捉されて食胞内に集積し蛍光強度を高める挙動が観測された。組織病理学的検討から、Hb小胞体は1週間以内に分解消失し蓄積は無く、また血液生化学的検査からも臓器の機能に不可逆の影響を与えず、安全度が高いことが明らかになった。 微小血管内の血球を静止させて撮影するため、発光時間40μsec、発光周期1/60secのフラッシュランプをCCDカメラと同調させる方法を利用した。Q帯吸収波長を照射して血球のコントラストを得て、皮膚表面での散乱抑制には限外照明系を採用した。アルブミン5%溶液で血液希釈(ラット)後の血流動態(有効毛細管密度と毛細血管内ヘマトクリット)の変動を解析し、心拍出量の変動との相違を得た。 Hb小胞体が酸素透過性を有する微小血管内(内径約28μm)を流動するときの酸素放出挙動を顕微鏡下、分光学的に数値解析した。Hb小胞体の酸素放出速度は赤血球と同等であったが、Hb溶液は、赤血球との混合比に応じて酸素放出速度が増大した。Hb溶液ではHbO_2自体の拡散により、酸素の促進輸送効果を示したものと考えられる。本方法は、体内の微小血管を流動するHb小胞体の測定にも利用できると考えられる。 また、Hb小胞体の内水相にフラビンモノヌクレオチドとエチレンジアミン四酢酸を添加して可視光照射すること、酸素結合機能を失ったメトHbが瞬時に還元されて、酸素結合機能を回復できることを確認でき、体内投与後の経皮的照射による機能的寿命の延長に貢献できると考えられる。
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