研究課題/領域番号 |
12480269
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
梶谷 文彦 岡山大学, 医学部, 教授 (70029114)
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研究分担者 |
松本 健志 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)
梅谷 啓二 高輝度光科学研究センター, 放射光研究所実験部門, 主管研究員
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
清水 壽一郎 岡山大学, 医学部, 助手 (80294403)
荒木 淳一 岡山大学, 医学部, 助教授 (80271055)
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キーワード | Spring-8放射光 / 単色X線 / X線直接撮像管 / マイクロアンギオグラフィ / 心筋貫通枝 |
研究概要 |
【概要】ラット摘出心潅流システムを確立し、左室自由壁の心筋内微小血管造影を試みた。 【実験方法】動物実験室にてWistar ratランゲンドルフ心を作製し(クレブス緩衝液,95%O2+5%CO2)、ビームラインハッチ内のX-Zステージにマウントし、また造影剤(イオパミロン370、シェーリング)を心筋直上ラインから投与した。心臓のポジショニングと造影剤投与はハッチの外から遠隔操作で行った。透過X線の検出は蛍光板を介したアバランシェ増幅型高感度撮像管カメラ(HARPICONカメラ、フレームレート=60fs/sec;ビット数=10;空間解像度=512×512)、あるいはX線直接撮像管(SATICONカメラ、フレームレート=90fs/sec;ビット数=10;空間解像度=512×512)を用いた。同一心筋を異なる角度から造影し、血管オリエンテーションを確認しながら血管造影を行った。X線エネルギーはヨウ素K吸収端の33keVとした。造影の最適条件を設定するため、造影剤の投与法(投与量、投与速度)を変えて実験を行った。 【結果および考察】両撮像系とも直径100ミクロン以下の微小血管までが抽出できた。造影剤投与は1秒間、500μl程度が最適であった。SATICONカメラではHARPICONカメラに比してコントラストの高い造影像が得られた。心表面の冠血管は心筋収縮にともなってアンジュレーションを起こし、また、直径100ミクロンオーダーの冠動脈貫通枝が心筋深部から逆行性に虚脱することが確認された。心筋深部から心表面に向かう貫通枝の圧搾は冠血流スロッシュ現象の一因と考えられた。
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