研究分担者 |
小山 真人 静岡大学, 教育学部, 教授 (70183811)
笹本 正治 信州大学, 人文学部, 教授 (70111820)
森田 悌 群馬大学, 教育学部, 教授 (00019332)
藤田 明良 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (50309514)
林 信太郎 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (90180968)
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研究概要 |
赤城山南斜面で多数みつかる9世紀の地割れ・土石なだれ・洪水などの地変跡はすべて,『類聚国史』に書かれた818年地震被害によるものだと考えた.この地震に伴う地割れは多数発掘されたが,震源断層はまだみつかっていない.地震のメカニズムも不明である.この地震災害は,この地域で数万年に1回程度しか起こらないきわめて稀な現象だったらしい. 宝永噴火(1707年)は,数ある富士山の歴史噴火の中で,東海-南関東地域一帯で豊富な目撃記録が現存する唯一の噴火である.それらの記録を読んで,16日間に渡った噴火期間中に各地でいつどんな現象が生じたかを明らかにした.また9世紀の貞観噴火についても,乏しいながらも書き残された文献史料から噴火の推移を復元した. 韓国済州島が11世紀初頭に噴火したことが『高麗史』など複数の文献史料に書き残されている.それら史料の編纂意図,文飾や成句のあり方,使用素材などを検討し,現地地質調査結果とあわせて,11世紀噴火の実像に迫った.とくに噴火位置については,現地で流布している飛揚島説に根拠が乏しいことを述べた上で,島の南西部にあたる大静県内であろうと推定した. 火山で生じる異常現象とその近隣で起こる大地震の関連性について,1)大地震のあとに火山が活発化したケース,2)大地震のあとに火山が沈静化したケース,3)火山噴火のあとに大地震が生じたケース,4)火山噴火のあとに地震が沈静化したケース,5)その他のケースについて事例を収集し,それぞれのメカニズムを論じた.
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