研究課題/領域番号 |
12490009
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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研究分担者 |
山本 啓之 聖マリアンナ医学大学, 医学部, 助教授 (30182645)
千浦 博 国際基督教大学, 理学科, 助教授 (00103698)
水之江 義之 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20157514)
石浜 明 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 教授 (80019869)
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キーワード | VNC状態 / 海洋細菌 / ウイルス様粒子 / Percoll密度勾配 / 酸化的ストレス |
研究概要 |
主な実績は以下の通りである。 (1)海洋細菌、Vibro parahaemolyticus、Vibrioi alginolyticusを低温下、低栄養に置くことにより、VNC状態、つまり培養できないが、生理活性を維持している状態に陥る系を作り、その挙動について実験的に観察した。また、V.alginolyticusの場合には、ナトリウム排出性の呼吸鎖の有無が、VNC状態への移行に影響することから、エネルギー獲得系がVNC状態と関わることを明らかにした。 (2)異なる生理状態にある大腸菌をPercoll Gradientで分ける基本的な方法論を開発した。またこの方法によって分取された個々の細菌群集は、それぞれ異なる遺伝子を発現させていることを明らかにした。 (3)天然海水中から限外ろ過で濃縮して得られたウイルス様の微小粒子が非特異的な遺伝子伝搬能を有し、これに感染した細菌は同様の粒子生成能を持つことを明らかにした。 (4)いわゆるVNC状態にある海洋細菌、Vibrio choleraeの電子顕微鏡観察を行ない、それらが通常の生理状態の時と異なった繊維状の形状を示すことを明らかにした。 (5)VNC状態の菌の培養条件を検討した結果、アスコルビン酸・αケトグルタル酸などの添加により、コロニー形成能が大きく復帰することを明らかにした。この結果は、細菌の計数法に応用可能であるとともに、VNC状態が酸化的ストレスと関わることを示している。
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