研究分担者 |
平原 靖大 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30252224)
山本 鋼志 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70183689)
足立 守 名古屋大学, 博物館, 教授 (10113094)
南 雅代 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90324392)
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研究概要 |
大気や水質の環境は外的要因(たとえば人為的な作用)に反応し易く、短時間の内にその影響は汚染といった形で表面化する。しかし、外的要因が取り除かれれば、自然環境がもとに復するのにそう時間はかからない。しかし、地圏環境の変化は、一旦汚染を被れば、水俣の例が示すように、その回復には地質学的な時間を要する。さらに、地圏環境では人為的な付加が予想される元素は、すべて自然環境にバックグラウンドとして含まれている。本研究はこれらの起源を地球化学サイクルの観点から区別・評価するところに目的をおく。 試料採集は愛知県東部および岐阜県南部を中心にして、代表者/研究協力者が試料採集補助約20名ををともなってすすめている。現場で80メッシュの篩を通した試料は、揮発性元素の散逸がないように室温で風乾した。試料の均質性を高めるため、ボールミルで約20分程粉砕/撹拌を行った。分析は、日本原子力研究所JRR4を使った中性子放射化分析により、As,Se,Br,Sb,Sc,Co,La,Ce,Sm,Eu,Tb,Yb,Lu,Re,Os,Ir,Au,Th,Uを、蛍光X線分析により、Si,Ti,Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Na,KPを定量している。中性子放射化分析においてはこれまでの研究で、100mgの試料をポリエチレン封入/気送管5分照射の条件下で中4日の冷却後、名古屋大学RIセンターへの郵送が可能であるかとがわかった。測定は、サンプルチェンジャーを装着したγ線計測解析システムを用いている。3月6日までに実試料21カプセルの照射/測定を終えた。蛍光X線分析は約400試料の測定を終えた。図化/解析作業は平成13年度に行う。
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