研究課題/領域番号 |
12490022
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
光末 紀子 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (80031350)
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研究分担者 |
宗像 惠 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (40135504)
曽根 ひろみ 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10179385)
須藤 健一 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10110082)
山崎 康仕 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (00200668)
三浦 伸夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20219588)
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キーワード | ジェンダー / セクシュアリティ / 梅毒 / オセアニア / 社会構築主義 / フィロマス / ミャンマー / エコフェミニズム |
研究概要 |
平成12年度は、研究を分担する各人が各研究領域のジェンダー問題を摘出・分析することに努めつつ、数回の研究会を通じて活発に情報交換・討論を行ってきた。 1 研究会については、第1回研究会を11月14日(火)に開催し、研究分担者である曽根ひろみと桜井徹がそれぞれ、「公娼制と梅毒」および「『女としての自然』の収奪」というテーマで研究報告を行った。第2回研究会は1月18日(木)に、ハーバード大学科学史・科学哲学科助教授、ブライディ・アンドリュース氏を招聘し、「アメリカにおけるジェンダー研究」というテーマでセミナーを開催した。第3回研究会は1月23日(火)に、大阪外語大学助教授、藤目ゆき氏を招いて「公娼制度と日本軍(慰安婦)制度」というテーマでお話しいただいた。それぞれの研究会で活発な討論が交わされ、各研究分担者の認識・知識を深化させるのに大きく役立った。 2 各研究領域におけるジェンダー問題の分析の進展を例示すれば、以下のようである。(1)光末は、ヨーロッパにおけるジェンダー・パラダイムを身体論、社会史、文化史、文学の側面から考察し、各時代の特色と通時的な変遷に関する知見を得た。(2)須藤は、オセアニア地域の国家独立が促した1970年代からの女性の社会進出が、伝統的なジェンダー枠組みとどういう関係に立つのかを検討した。(3)曽根は、京都大学所蔵の梅毒関係の文献を系統的に調査し、近世における梅毒が「娼婦が伝播する性病」というより「子供や成人男女がかかる一般の病気」の範疇に属するものと考えられていたのではないかという仮説を得た。(4)宗像は、ジェンダー・カテゴリーの硬直化が引き起こすさまざまな問題を社会構築主義の視点から検討した。(5)三浦は、18世紀英国の女性と数学の関係を雑誌『貴婦人の日記』を用いて探求し、当時多くの女性の数学愛好者が存在したことを明らかにした。(6)土佐は、ミャンマー連邦カレン州でカレン、パオ、ビルマ族等が共生するターマニャ山におけるジェンダー関係について人類学的調査を行った。
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