研究概要 |
本年度は,基本的に母乳・人工栄養の選択に対する社会的支援・制限要因の解明にむけて,質問紙調査の準備と個別研究の開始に充てた.具体的には,全体共通の質問紙の調査については,分担者であった則松が9月からフランスに職を得て分担者からはずれるという偶発的事態もあったが,根ヶ山(早稲田大学)・則松(Toulouse大学)・Barratt教授(Michigan州立大学)間において,主にメールで連絡を取り合い,また実際に日米間で往来し,質問紙(日本語・英語・フランス語)作成の最終段階まできている.また個別研究テーマについて,アメリカの母乳育児の実態を具体的に観察する,文献資料や統計資料を収集する,育児中の母親にアプローチする,病院を訪問して育児指導の実際を見学する,妊娠中からインタビューを続けている母親に対し授乳場面のビデオ撮影を行う,同じ母親に毎日の授乳の記録をお願いする,母乳プレッシャーや育児ネットワークに関する質問項目作成のため,育児雑誌およびホームページへの書き込み・先行研究から具体的な母親の語り口を収集する,母乳プレッシャーに焦点化するため協力者の選定の基準(母乳育児を希望する母親など)や日記形式を検討する,乳児健診などで用いられる調査票をもとに質問項目を検討する,桶谷式断乳の助産院に接触して母親の行動観察を開始するなどを行った.
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