研究課題/領域番号 |
12490034
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
林 宜嗣 関西学院大学, 経済学部, 教授 (40122220)
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研究分担者 |
川端 康之 横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 助教授 (70224839)
戸谷 裕之 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (50188752)
林 広昭 関西学院大学, 経済学部, 教授 (20208630)
瓦田 太賀四 神戸商科大学, 商経学部, 教授 (00169781)
前田 高志 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (70165645)
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キーワード | 機関委任事務 / 地方税 / 地方交付税 / 国庫支出金 / 自立型経済構造 / 行政の守備範囲 / NPM / 民間委託 |
研究概要 |
平成12年4月に地方分権一括法が施行され、国と地方の財政関係は新たなステージに入った。しかし、機関委任事務の廃止や地方の課税自主権の拡充などは実現したものの、真の地方分権を実現するために不可欠な、地方税、国庫支出金、地方交付税といった地方税財政制度の抜本的な改革は見送られた。一方で地方自治体の財政運営に関しても、依然として地方分権時代にふさわしいものに改善されたとは言えない。こうした点を踏まえて、今回の2年間の研究では、財政学、会計学、法制度から、多面的に地方分権時代にふさわしい地方税財政制度のあり方について研究を行った。その結果、地方所得税や地方消費税といった基幹税目による地方税源の拡充と、地方財政のコントロール手段となっている国から地方への財政移転の縮減が不可欠であることが示された。しかし、こうした改革は同時に地方自治体間の財政力格差を拡大することになるため、地方が公共投資を中心とした財政支出に依存しなくても済む自立型経済構造を構築するとともに、真のミニマムの行政を対象とした適正な財政調整制度の必要性は残ることが示された。また、1970年代に拡大した地方行政の守備範囲の見直しや、行政サービスの供給の効率化など、NPM(New Public Manegement、新公共管理)と呼ばれる新たな財政運営手法を構築することが不可欠である。そのためには、民間委託の積極的な推進、受益者負担の活用など、市場メカニズムを最大限、地方の行財政運営に取り入れることも検討すべきことを明らかにした。
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