研究課題
1、今年度の海外博物館調査は、韓国・オランダ・ドイツを対象とし、以下のような成果を得た。(1)韓国では、国立民俗博物館・国立中央博物館・独立記念館・戦争記念館などを調査し、(1)韓国の民俗展示が現在の国民教育のうえで持つ意味、(2)戦争展示・歴史展示の特色と問題点を詳しく知ることができた。また、教員向けのプログラムに力を入れ始め、博物館教育を重視し始めていることが確認できた。(2)オランダでは、ライデン国立民族学博物館・ナチュラリス・ムゼイオン・ロッテルダム市立海事博物館・ユダヤ歴史博物館などを調査し、(1)多民族混在という現状にそくした多文化主義的事業展開(Inter-cultural Museum Program)に特徴があること、(2)その一方で、「もともとオランダにいたオランダ人」への「国民」教育にも重点が置かれていること、などがわかった。(3)ドイツでは、マールブルグ大学文化史博物館・葬送文化博物館・墓地博物館などを調査し、葬送儀礼の展示方法や博物館教育のあり方について、日本との比較を行うことができた。2、教育プログラムの考案・実施の面では、(1)教育員(Educator)実習のためのプログラム(2)学校教員のための教育プログラムを考案・実施し、(3)教員への観客調査も行った。(4)教育プログラム・観客調査などアメリカの先進的方法・理念を使った沖縄県博の「弁当からミックスプレートへ」展を調査・研究した。3、歴博で3回研究会を行い、6月は「博物館教育の調査-イギリスの事例から-」をもとに海外博物館調査のポイントを議論し、11月は教育員実習(養成プログラム)の意義と問題点、3月は、韓国・オランダの博物館の特色について議論した。
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