危険知覚テストにおいて問題となるのは、テストにおいて使用される交通場面の内容である。これまでの危険知覚テストでは、使用される交通場面の映像が一旦作成された後は変化させることことがほとんどなく、教育において一度使用されると次回の教育内容は限定されてしまうことになった。今年度は、この課題を解決する一歩として、交通場面の映像を自由に入れ替え可能なオーサリングシステムを完成した。(なお、オーサリングツール作成においては、言語にビジュアルC++を使用。) 運転経験の違い、地域の違い、あるいは職種の違いにあったテストを開発することは、これまで行われてきた運転適性検査の課題であるきめの細かい適性診断や安全運転教育を実現することでもある。今年度は、このオーサリングツール作成を行うと同時に、青森、大阪などで安全運転教育を実験的に行ってきた。主題は、危険源認知能力の改善と自己評価能力の向上である。そして実験教育の目的は、いわゆる参加型教育による効果的な教育方法の確立にあった。来年度は、このツールを利用することにより実験教育を行い、初心者教育や高齢者教育にたずさわる現場において容易に行える安全運転教育のマニュアルの実現が予定されている。
|