運転技術についての誤った自己評価、特に「過信」が事故原因の一つであることが知られている(Keskinen 1995)。本研究は、自動車運転行動や電力会社などでの事故防止を目的に、安全行動に関しての正しい自己評価をすすめ、事故防止のための自己管理を援助することを目的に計画された。具体的には、防災教育のための教材作成支援システムの開発と教育マニュアルの完成を目指している。 本年度に行われた研究内容と成果は以下のとおりである。 1、オーサリングツールの完成:ドライバーのハザード知覚能力を高めるための危険予測能力教育を支援することを目的に、コンピュータベースで教材作成のためのオーサリングツールを完成させた。これによって、これまでのように地域や年齢の違いがあっても同一の映像による教材が使用されていたことによるミスマッチを補うことが可龍となった。教育の対象者に合った教材を作成し教材として利用することが容易になった。 2、自己評価スキルと安全行動学習のための実験教育:交通安全部門では青森県での高齢ドライバーと関西電力の社員、防災関連では関西電力の送電制御部門において実験教育を行った。いずれも言分の作業行動の安全性についての自己評価スキルを向上させ安全行動の獲得を目指すものである。これらの実験教育によって、教育マニュアルの完成をみた。
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