研究課題/領域番号 |
12551003
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中野 いく子 東海大学, 健康科学部, 教授 (40141808)
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研究分担者 |
川元 克秀 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (70291135)
原田 正樹 東京国際大学, 人間社会学部, 講師 (40287793)
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キーワード | 世代間交流 / 児童と高齢者 / 総合的学習 / 交流プログラムの開発 / プログラムの効果評価 / 児童の老人観 / サービス・ラーニング / 高齢者の学校ボランティア |
研究概要 |
1.小学生用の世代間交流プログラムを研究・開発した。昨年度、調査した日米の世代間交流プログラムを参考にして、また、「総合学習」に使用することを勘案して、1年間20回の活動プログラムを開発した。次の3つをねらいとした。(1)異世代との個人的な人間関係を築き、相手を尊重できる。(2)「老い」を偏見なく理解できる。(3)支えあうことの必要性を理解し、自尊心をもつ。活動内容は、「老い」の理解や疑似体験、老人ホームの高齢者との個人的な関係づくり、祖父母や地域高齢者の理解、死の理解等から構成され、事前学習(ロールプレイ等)や毎回の「振り返り」を含むものである。 2.2つの小学校において、プログラムを実施した。埼玉県鶴ヶ島第二小学校の3年生62人と神奈川県国府小学校の5年生124人。「老い」を理解する授業では、「今まで考えたこともなかった。」という意見や様々な気づきが表明された。老人ホームにおける交流では、事前学習のロールプレイでコミュニケーション・スキルを学んだ成果が認められた。また、2回目以降では、生徒たちの自主的な工夫がみられた。活動後の「振り返り」からは、生徒が活動の意図を理解していることが認められた。プログラムは現在進行中であり、詳細な分析は終了後に行う。 3.プログラムの効果評価を行う。活動開始前に、老人観についての調査を行った。終了後、再度調査し、変化を測定する。その結果を踏まえて、プログラムを改良する予定である。 4.交流した老人ホームの高齢者と施設職員に聞き取り調査を行った。高齢者の多くは、「楽しかった。」と述べた。職員も個人的関係づくりは従来の慰問よりも進んでいると好意的であった。今後、テープを起こして、詳しい分析を行う。
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