研究課題/領域番号 |
12551003
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中野 いく子 東海大学, 健康科学部, 教授 (40141808)
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研究分担者 |
川元 克秀 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (70291135)
原田 正樹 東京国際大学, 人間社会学部, 講師 (40287793)
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キーワード | 世代間交流 / 児童と高齢者 / 総合学習 / 交流プログラムの開発 / プログラムの効果評価 / 児童の高齢者観 / サービス・ラーニング / 高齢者の学校ボランティア |
研究概要 |
今年度は、昨年度に開発した小学生用世代間交流プログラムを改良した。実施した小学校教員の意見と、l05時間の総合学習の時間が設けられることを勘案して、20回(33〜35時間)の活動プログラムにした。ただし、3つのねらい、(1)異世代との個人的な人間関係を築き、相手を尊重できる、(2)「老い」を偏見なく理解できる、(3)支えあうことの必要性を理解し、自尊心をもてる、を確保する活動を含むことを必須として、回数増減ができるものにした。 改良したプログラムを、作年と同様に2つの小学校で実施した。神奈川県国府小学校の5年生109人、埼玉県鶴ヶ島第二小学校3年生64人。活動内容は、1)人生の段階と一生を知る、2)お年寄りを招くA、3)身体的ハンディキャップを体験する、4)お年寄りに会う1-(2)(事前準備)、5)お年寄りに会う1-(2)(施設訪問)、6)祖父母とのつながりを見直す、7)お年寄りを招くB、8)お年寄りに会う2-(1)(準備)、9)お年寄りに会う2-(2)(訪問)、10)お年寄りについて話し合う、11、)お年寄りについて正しい認識をもつ、12)お年寄りに会う3-(1)(準備)、13)お年寄りに会う3-(2)(訪問)、14)お年寄りに感謝を表す、15)〜17)回死を理解する、18)全体の振り返りである。 プログラムの効果を測定するために、昨年度、プログラム実施前と実施後に行った調査の集計・分析を行った。結果は、(1)年齢のより高い人をお年寄りとみる割合が顕著に高くなった、(2)SD法によるお年寄りのイメージには、有意な変化は認められなかった、(3)文章による高齢者観スケールを用いた測定では、お年寄りへの否定的回答から肯定的回答に変化した割合・項目が、その逆よりも多かったなど。さらに、生徒が毎回の活動後に記入した「振り返りノート」の記述を分析した結果、(4)活動目的は、ほとんどの生徒が正確に理解していた、(5)「老い」の身体面への理解を示す記述や、お年寄りへの関わり方の変化を自覚する記述(「やさしく」「親切に」「大切に」)が多くみられた。これらの分析結果は、日本福祉教育・ボランティア学会第8回大会('02,11月)で発表した。今年度の調査データは集計中である。 教師向け研修プログラムは、すでに作成し、実施に向けて埼玉県教育委員会と内容、時期等を調整中である。
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