研究分担者 |
柴山 守 大阪市立大学, 学術情報総合センター, 教授 (10162645)
安藤 正人 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (90113422)
安永 尚志 国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (20017411)
山田 奨冶 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (20248751)
杉本 重雄 筑波大学, 図書館情報学系, 教授 (40154489)
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研究概要 |
本研究では国文学研究資料館及び機関を越えて,あらゆる人文科学データを一括検索できるシステムを実現するために、以下の研究を行った。 1.デジタル資料館:研究の基盤として,具体的にモノとしてのデータを蓄積し提供する。データベースシステムは、テキスト、画像,動画,全文データなど個別のメディアデータベースである。これらはメディアに適した個別データ構造や検索系を有するシステムである。本研究では、国文学研究資料館の歴史・国文学資料を中心にデータのデジタル化と検索系の作成を行った。 2.標準化モデル:本研究の「標準化」は、データ構造を強制的に一元化するという旧来的な意味ではない。そもそも多様な研究的背景を持つデータを一元化することは不可能であり、むしろ学問の進歩を阻害する。意図する標準化はメタデータと検索プロトコルの標準化であった。メタデータとはデータの内容を記述したデータである。本研究では既存のデータベースと利用者の間にメタデータベースを置いた。利用者は既存のデータベースではなく最初にメタデータベースを検索する。メタデータを標準化することにより,異なったデータベースを同じ構造のデータベースと見なして検索することが可能となった。本研究では、汎用メタデータと研究専用(歴史、国文学、図書)メタデータの2種類のモデルを開発した。汎用メタデータモデルは、既存の全データベースを同じ構造のデータベースであるかのように見せる枠組みで,インターネット検索用のメタデータ記述であるDublin Core Metadataの導入を試みた。研究専用メタデータモデルは、個別データを汎用メタデータに変換する際のガイドとして導入した。具体的には、歴史用にEAD(Encoded Arc hival Definition)と、国文学用にTEI(Text Encoding Initiative)、図書用にLC MARCを採用した。標準検索プロトコルは、全データベースを同じ検索法でアクセスする手段を与えるもので,本研究では検索問い合わせの標準であるZ39.50の導入を試みた。 研究の成果として,各種目録・画像・動画・全文テキストなど国文学研究資料館の有する殆どのデータベースの統合を実現した。更にこの成果をふまえ,他機関・大学の図書館システムとのリンク実験を開始した。
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