研究分担者 |
加藤 晃史 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10211848)
寺杣 友秀 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50192654)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
岡本 龍明 NTT, 情報流通プラットフォーム研究所, 特別研究員
高山 信毅 神戸大学, 理学部, 教授 (30188099)
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研究概要 |
研究代表者は,正標数におけるカラビ・ヤウ多様体の構造の研究を主に行った.本年度も,連携併任講座「符号・暗号」を主催し,企業の研究者との情報交換、討論の場とした.また,2002年2月14日-16日に「代数幾何の広がり研究集会」を開催し,符号暗号理論を含む代数幾何の研究成果に関する総括,討論を行った.本年度の研究成果については,この研究集会でも発表したが,主なものは次のとおりである. Xを正標数の代数的閉体k上のn次元非特異完備代数多様体,H_<dR>(X)をXのde Rhamコホモロジー群とする.H_<dR>(X)はHodge filtration H_<dR>=F_0⊃F_1⊃【triple bond】⊃F_nを持つ.また,H_<dR>(X)上にはFrobenius写像Fが作用する.このとき、a(X) =max{i | F^*H_<dR>(X)⊂F_i}によってa-numberを定義する.この数は,アーベル多様体に対してはF. Oortが定義したa-numberと一致することがまず示せる.また,Frobenius写像がF_1上は零写像になることから,Hodge-to de Rhamスペクトル列がE_1-levelで退化するときには,F^*は写像H^n(X, O_x)=F_0/F_1→H_<dR>(X)を引き起こす.従って,a(X)=max{i |F^*H^n(X, O_x)⊂F_i}となり,いろいろな代数多様体に対し計算可能となる.ここでは,Fermat型のカラビ・ヤウ多様体,P^3の中の5次超曲面に対して,具体的な計算結果を与えた.a-numberはArtin-Mazur形式群の高さhとも関係がある.我々はカラビ・ヤウ多様体の構造を調べることを1つの目的にしているが,この場合には,a=0であることとh=1は同値であり,a【greater than or equal】2ならばh=∞となることが示せた.また,rigidなカラビ・ヤウ多様体の場合,hは1か∞の値しかとれないことも示せた.以上の主要結果はvan der Geerとの共著論文として発表予定である.
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