研究分担者 |
寺杣 友秀 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50192654)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
岡本 龍明 NTT, 情報流通プラットフォーム研究所, 主席研究員
高山 信毅 神戸大学, 理学部, 教授 (30188099)
加藤 晃史 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10211848)
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研究概要 |
研究代表者は,本年度も引き続き正標数におけるカラビ・ヤウ多様体の構造の研究を主に行った.また,本年度も連携客員講座「符号・暗号」を主催し,企業の研究者との情報交換,討論の場とした.2003年1月17日〜1月19日には「第5回代数幾何・数論及び符号・暗号研究集会」を開催し,研究成果に関する総括,討論を行った.正標数の代数的閉体k上定義された3次元以上のカラビ・ヤウ多様体Xのde Rhamコホモロジー群をH^2_<dR>(X),ネロン・セヴィリ群をNS(X)とする.このとき,次のような結果をえた. 定理H^0(X,Ω^i_X)=0(i=1,2)を仮定する.このとき,自然な準同型写像NS(X)/pNS(X)【cross product】_<F_p>k--H^2_<dR>(X)は単射である. 2次元の場合には,この写像はかならずしも単射にならず,このことからK3クリスタル理論が生じる.この定理は,3次元以上の場含には状況が異なることを示している.また,同じ仮定の下に準同型写像NS(X)/pNS(X)【cross product】_<Fp>k--H^1(X,Ω^1_X)も単射であることが示せ,この系として,ピカール数ρがρ【less than or equal】dim_kH^1(Ω^1_x)をみたすことがわかる.また,rigidなカラビ・ヤウ多様体の場合,Artin-Nazur形式群の高さhは1か∞の値しかとれないことを示し,アーベル多様体の商空間として得られるカラビ・ヤウ多様体など、いくつかのカラビ・ヤウ多様体に対しhを具体的に計算した.このほかにも,カラビ・ヤウ多様体上のイリュージー層のコホモロジー群の様々な性質を明らかにすることができた.カラビ・ヤウ多様体に関するこれらの結果については,G. van der Geerとの共著論文を準備中である.
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