研究分担者 |
白倉 暉弘 神戸大学, 発達科学部, 教授 (30033913)
照井 章 筑波大学, 数学系, 助手 (80323260)
青嶋 誠 筑波大学, 数学系, 助教授 (90246679)
今野 良彦 日本女子大学, 理学部, 助教授 (00205577)
田栗 正章 千葉大学, 理学部, 教授 (10009607)
|
研究概要 |
次のようないくつかのテーマについて,統計的領域推定の関連分野の研究者の協力を得て組織的に研究を行った.(1)実験計画とその周辺における手法の開発とその応用について,興味ある成果を得た.(2)統計的領域推定とそれに関連する手法の開発とその応用について,深く検討した.(3)計算機指向の統計手法の理論とその応用について詳しく検証するとともに,推定方式の比較に関して新しい知見を得て,より精確な方式の開発を行った.(4)実験計画法とその周辺における組合せ的構造の解明とその応用について深く検討して方式の開発を行い,実用化に耐え得る方式を探った.特に,実験物理等においては,母数が本来,正(あるいは非負)値であることが理論的に仮定されている場合が少なくない.そこで誤差を含む観測値から未知の母数を区間推定する場合がある.誤差の大きさが未知母数の値とほぼ同じ大きさである場合には,母数が正であることを考慮しない通常の信頼区間は負の範囲を含んでしまうし,またそれを正(または非負)に限定した区間は空集合になることもあり得る.そしてこの問題について多くの方法が物理学者らから提案されているが,統計的領域推定の観点からは基本的にはBayesianとNon-Bayesianの2つの立場がある.Bayesianの場合には,母数の存在範囲に事前分布を限定すればよい. 本研究においては,正値平均の信頼区間の構成をBayes法と頻度主義法を組み合せた方法によって行い,従来の枢軸法,尤度法による信頼区間と比較してその妥当性を確めた.そして新しい方法による区間推定方式の実用化に向けた研究も行った.
|