研究課題
ウェーブレット解析では、アナライジングウェーブレットと呼ばれる基本関数から平行移動と相似変換によって作られるウェーブレットと呼ばれる一群の関数によって、与えられた関数を展開する。連続ウェーブレット変換においては、このアナライジングウェーブレットとして、相当広い範囲の関数を避ぶことが可能であるが、実用的により精密な解析が可能な離散ウェーブレット変換では関数の満たすべき条件が厳しく選択の幅は非常に狭い。そこで本研究では、与えられた関数形にL^2の意味で近いアナライジングウェーブレットの組み立てを試みている。本年度は咋年度に引き続き、双直交ウェーブレットの枠組みの中で、アナライジングウェーブレットをシンボルと呼ばれる関数の構成を出発点として組み立てるアルゴリズムについて調べた。特に双対シンボルから双対ウェーブレットを構成する際、関数に強い特異性が現れ構成が困難になる場合の検討を続けた。また、このようなウェーブレットの応用の研究を行い、模擬地震波の構成手法を研究して口頭発表すると共に、最近の研究状況を検討するために、企業や大学の研究者を招いて応用ウェーブレット解析研究会を開催した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)