研究分担者 |
榊原 進 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (70196062)
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
小林 メイ 日本IBM, 東京基礎研究所, 副主任研究員
佐々木 文夫 鹿島建設, ITソリューション部, 主査
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研究概要 |
観測データに適合し能率の良い展開表現を与える離散ウェーブレットの構成法,および,適合ウェーブレットを含むウェーブレット解析の応用手法の研究を行った.観測データ関数が,要素的な関数の重ね合わせから場合を想定し,この要素的関数を目標関数としてこれに近い波形をもつ離散ウェーブレットの構成を考える.直交ウェーブレットは非常に厳しい条件を満たさなければならず適合のための十分な自由度がないため,ここでは双直交ウェーブレットの枠内で目標関数に近い波形を持つものを構成する.双直交ウェーブレットは,2スケール関係式の係数から作られる基本シンボル関数と双対シンボル関数を指定することで決定される.そこで,基本シンボル関数を所与のものとし,双対シンボル関数をローラン多項式を含む形に仮定しこの多項式の係数を,構成された双直交ウェーブレットが目標関数にL^2の意味で近くなるように調整する方法を提案した.これは拘束条件付の変分問題として定式化され計算機によって数値的に扱うことができる.この方法をいくつかの目標関数の場合に適用して適合双直交ウェーブレットを生成し,これらのウェーブレットを用いたデータ表現の能率を展開係数から作られるエントロピーを用いて比較した.非定常信号の代表的なものとしていくつかの大地震の地震波形の場合,Meyer, Daubechies等の直交ウェーブレットによる展開よりも,本手法で生成した適合双直交ウェーブレットによる展開は小さなエントロピーを与える傾向が見出された.またこのような展開の応用を念頭に,直交ウェーブレットを用いた大地震の模擬地震波形の構成手法を提案した.これは,過去の観測データをウェーブレット展開し,各周波数帯毎に異なる線形結合を行って目標となる速度応答スペクトル形を満たすようにするものである.その他,ウェーブレット展開についてSincウェーブレット,分数階微分などへの応用手法の研究を行った.
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