研究分担者 |
今井 潤 NTT(持ち株会社), コミュニケーション科学基礎研究所, 主任研究員
中山 功 名古屋商科大学, 商学部, 教授 (80164359)
代田 典久 SONY(株), インフォーメーション&ネットワーク研究所, 統括部長
近藤 弘一 同志社大学, 工学部, 専任講師 (30314397)
岡崎 龍太郎 同志社大学, 工学部, 専任講師 (20268113)
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研究概要 |
平成14年度は本科研費の援助のもとで,1件のパソコン購入,13件の研究発表と研究打ち合わせ国内出張,1件の国際会議発表のための海外出張を行った.具体的な研究活動としては,公開の「関西可積分系セミナー」を合計6回開催した他,平成14年8月30日京都大学にて「Workshop of Digital Signal Processing and Chaotic Dynamics 2002」を開催した. この研究課題に関連して平成14年度には次の進展があった.まず,前年に,第2種Painleve方程式の解のBacklund変換(離散Painleve方程式)をLax対の両立条件として表し,直交多項式に関連した連分数の係数がBacklund変換により相互に代数的に結ばれることを示したが,この方向の研究を進めて,この連分数がAiry関数のLaplace変換の連分数展開を与えることを証明した.有限連分数の係数は梯子型LC回路の回路定数とみなせる.さらに,このPainleve方程式の有理関数解に対するBacklund変換とPainleve方程式のHamiltonianにより,有理関数のLaplace変換の連分数展開を得た.また,同様に,第4種Painleve方程式のHermite-Weber関数解に基づいて,Hermite多項式のLaplace変換の連分数展開を導出した.これらの連分数の係数は,微分積分計算ではなく,代数演算のみで計算される.この一連の研究によりPainleve方程式の応用数理的側面が初めて明らかになった. また,Bell数,Euler数,Bernoulli数など組み合わせ論的数のなすHankel行列式の具体的な表示式を求める問題を可積分系のタウ関数解,直交多項式,連分数によって解析する研究を開始し,Bell数,Euler数,Bernoulli数については数式処理と数学的帰納法によりN次Hankel行列式を書き下すことに成功した.
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