研究課題/領域番号 |
12554008
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中村 純 広島大学, 総合科学部, 教授 (30130876)
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研究分担者 |
日置 慎治 帝塚山大学, 経営情報学部, 助教授 (70238252)
庄司 文由 広島大学, 総合科学部, 助手 (60310504)
宮村 修 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80029511)
池坂 守夫 富士通研究所, HPC研究センター, 主幹研究員
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キーワード | QCD / 場の理論 / シミュレーション / クォーク / グルーオン / オブジェクト指向 / Fortran90 |
研究概要 |
格子QCDの数値シミュレーションは、クォークとグルーオンの非摂動的振舞いを研究するための強力な手法である。計算機の発展とあいまって、定性的な研究から実験と比較可能な定量的な研究の段階に入ってきた。一方、近年のパーソナルコンピュータ(PC)の普及にともなうマイクロプロセッサの高速化と低価格化は、これを計算要素とする並列クラスターがスーパーコンピュータに匹敵する能力をもったシミュレーションシステムとなりうることを示唆している。 本年度は、実用化のための基礎データの取得と、PC上でプログラムの開発、および実行時の問題点の調査を行った。その結果、ネットワークの高速性は非常に重要であるが、同時にQCDシミュレーションのための効率良いコードを生成するコンパイラーの選択も重要であることがあきらかになってきた。 また、MPIによるフォートラン90のQCDコードをPC並列クラスター上で新たに開発した。このコードは近々公開の予定である。このコードは、フォートラン90のモジュール機能を使用することにより、オブジェクト指向性の高いコードとなっており、クェンチシミュレーション、ハイブリッドモンテカルロ法によるフルQCD、非等方格子、それに化学ポテンシャルが導入されている。このように多くの機能をもち、かつ比較的単純でポータビリティを持ったコードは、本プロジェクトで開発されたものが始めてである。 このコードは汎用で各種のシミュレーションに友好であるが、現在、QCDのもっとも重要な対称性であるカイラル対称性を担うシグマ中間子のプロパゲータの計算を進めている。
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