研究課題
本研究の最終目的は、完全に無機物にのみよって構成される超耐放射線電磁石を開発、完成する事である。この目標を達成するために、(1)電磁石の励磁コイル用線材として、完全に無機物のみによって電気絶縁され、かつ数千アンペア以上の電流を取り扱えるものを開発する。(2)新開発された線材を用い、電磁石コイルを試作する。(3)コイルを既存鉄芯に組み付け、電磁石全体として完全無機絶縁のものを完成させ、長時間試運転を行う。というステップで開発をおこなってきた。本超耐放射線電磁石の開発は三年度にまたがる研究計画であり、本年度は最終年度である。これまで、まず(1)の目標を達成すべく実施した、初年度・二年度の研究計画、すなわち*長尺MICの製造技術を確立し、ホローコンダクタ2500A級MICを1本試作する。*試作品で確立した製造技術を、量産技術として確立する。は順調に完了している。量産試作品の全長は、コイル形成に必要な60mを十分に達成した。また量産品全体でも、電気的、機械的な検査に十分に合格した。これらの結果を受け、最終年度である本年度は、*量産された線材を用い、電磁石コイルを試作し、そのコイルを現有鉄芯に組み付け、電磁石全体として完全無機絶縁のものを完成させ、長時間試運転を行う。事を実施した。試作された電磁石は既存電源によって励磁され、長時間試運転を重大なトラブル無く完了した。現在はコイル温度上昇、冷却水による除熱ならびに大気への熱放散のデータを整理中である。なを本年度は、磁石全体設計にビームライン設計の専門家二名を追加し、単に磁石として完成させるばかりではなく、「ビームライン要素としても使いがっての良い」磁石を完成させたる事をも目標とした。全体の研究成果は2003年度に開催される国際電磁石技術会議で報告される予定である。
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