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2001 年度 実績報告書

テラヘルツ領域コヒーレント現象マイクロプロービング

研究課題

研究課題/領域番号 12554010
研究機関大阪市立大学

研究代表者

溝口 幸司  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10202342)

研究分担者 細田 誠  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80326248)
金 大貴  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00295685)
中山 正昭  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30172480)
キーワードマイクロポンプ・プローブ / 半導体超格子 / コヒーレントフォノン
研究概要

本研究では、超短時間領域のコヒーレントフォノンおよび光励起キャリアをプローブとして、半導体材料やデバイスを評価するような、「テラヘルツ領域コヒーレント現象マイクロプロービング」装置の試作を目的としている。本年度は、「テラヘルツ領域コヒーレント現象マイクロプロービング」装置の試作を行った。また、光励起キャリアの緩和ダイナミクス、および、コヒーレントフォノンの伝搬・緩和ダイナミクスについて研究を行った。
マイクロポンプ・プローブ装置の試作には、顕微鏡用の対物レンズを用いた。波長800nmのパルス光および開口比0.55の対物レンズを用いた場合、そのスポットサイズは約5.5μmであることがわかった。理想的なスポットサイズより2.5倍程大きい結果になり、まだ改良の余地が有ると考えている。また、試料上のパルス幅は100fs以下と、マクロ測定におけるパルス幅と同じ程度の値に調整する事ができた。さらに、パルスレーザーの2倍の高調波を用いたポンプ・プローブ測定装置の開発を行った。この場合のパルス幅は160fs程度であった。第2高調波のパルスに対して、パルス幅補償器(パルスコンペンセーター)を用いていないため、この値を取ったものと考えられる。今後、パルスコンペンセーターを導入する事で、第2高調波のパルス幅を狭くする必要が有ると考えている。
電子ミニバンド有する半導体超格子における光励起キャリアの緩和について調べた。測定に用いた試料は、電子ミニバンドを有する(InAs)_1(GaAs)_<30>歪超格子である(添字の数字は構成層の単原子層単位での層厚を示す)。この超格子ではGaAs層が障壁層である。この半導体超格子において、電子ミニバンドに励起された光励起電子によるプラズモンと障壁層に閉じ込められたGaAs型LOフォノンとが結合したモードを始めて観測した。また、このコヒーレント結合モードにおいて検出エネルギー依存性を調べた。その結果、電子ミニバンドの特異点近傍で、コヒーレントLOPCモードの振幅が強くなっていることを得た。緩和時間の検出エネルギー依存性を調べた結果、緩和時間は検出エネルギーに依存しなかった。これは電子ミニバンド構造のエネルギー分散が小さいためであると考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Takeuchi, K.Mizoguchi, M.Nakayama, et al.: "Simultaneous Observation of Coherent GaSb-Iike and AlSb-like Longitudinal Optical Phonons in GaSb/AlSb superlattices"Journal of Physical Society of Japan. 70. 2598-2602 (2001)

  • [文献書誌] I.Tanaka, K.Mizoguchi, M.Nakayama: "Quantum beat between heavy-hole and light-hole excitons in CuI thin films"Journal of Luminescence. 94-95. 385-388 (2001)

  • [文献書誌] H.Hase, M.Kitajima, S.Nakayama, K.Mizoguchi: "Dynamics of coherent anharmonic phonons in bismuth using highly density photoexcitation"Physical Review Letters. 88. 067401-1-067401-4 (2002)

  • [文献書誌] H.Takeuchi, K.Mizoguchi, T.Aida, M.Nakayama: "Effects of a miniband structure on coherent LO phonon-plasmon coupled modes in an (InAs)_1/(GaAs)_<30> strained-layer superlattice"Physica B. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] H.Takeuchi, K.Mizoguchi, M.Nakayama: "Coherent Phonon-Plasmon Coupled Modes in (InAs)_1/(GaAs)_<30> strained-layer superlattices"IPAP Conference Series. 2. 207-209 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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