研究課題/領域番号 |
12554015
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
成瀬 廉二 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (10002099)
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研究分担者 |
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90235739)
稲垣 正晴 (株)ウォールナット, 技術部長(研究職)
前野 英生 通信総合研究所, 地球環境計測部, 研究官
松岡 健一 総合地球環境学研究所, 日本学術振興会特別研究員
曽根 敏雄 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222077)
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キーワード | アイスレーダ / インパルスレーダ / 地中探査レーダ / アサバスカ氷河 / 山岳氷河 / 内部反射層 / 氷厚 / 積雪 |
研究概要 |
本研究は、地中の異物、空洞を検知する地中探査レーダを改良し、測定が難しい温暖氷河の氷厚を測定できる小型、軽量、小電力の高性能アイスレーダを開発、実用化することを第1の目的とする。さらに、氷河内部の様々な層構造や密度変化の面的分布が観測可能なレーダの実用化を第2の目的とした。このため12年度に、「低周波アイスレーダ」(5MHz)を新規に製作し、「高周波アイスレーダ」(90MHz)として既存の地中探査レーダを購入した。14年度は、13年度に引き続き、氷河や積雪における各種テストや改良を行うとともに、得られたデータの解析、および成果の発表を行った。 低周波アイスレーダの受信機の感度を更に上げるため、受信装置に内蔵されているアンプを改良し、高性能化を図った。また、測定データの処理速度を向上させ観測の効率を上げるため、レーダに組み込まれたソフトウェアの一部改良を行った。2002年9月、カナダ・アサバスカ氷河において、低周波および高周波アイスレーダの現地テストを行い、良好な結果を得た。この成果を国内の英文誌に発表した。 また、積雪における高周波レーダのデータ解析と理論的計算を行った結果、地中探査レーダに固有なノイズをある程度除去することができ、約100kg/m^3の密度差をもつ積雪層境界を検出できることが分かった。さらに、高周波レーダにより、積雪深のみではなくさまざまな積雪の相当水量を測定できる関係式を導いた。これらの結果の一部は国際学会誌に、また他の一部は国内学会誌に投稿するため、論文執筆を行った。
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