研究課題/領域番号 |
12554022
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
清岡 俊一 高知大学, 理学部, 教授 (00036584)
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研究分担者 |
藤山 亮治 高知大学, 理学部, 助教授 (50145108)
後藤 文孝 大塚製薬, 有機化学研究所, 研究員
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キーワード | 不斉アルドール反応 / デイスコダーモライド / 抗腫瘍性 / ラジカル脱ブロム化 / 鎖式立体制御 / プロピオネートアルドール |
研究概要 |
H12年度の成果の一ツは、年度計画にもあったほぼエナンチオ純粋なシンおよびアンチープロピオネートアルドール体を作りわける反応を完成させたことである。基本的におなじ不斉反応を用いて、このような作りわけに成功した例はない。戦略の基本は、われわれのキラルオキサザボロリジノン助触媒不斉アルドール反応と続くGuindonらによるα-ブロムのジアステレオ選択的ラジカル還元を併用することである。エチルα-ブロモプロピオネートから得たケテンシリルアセタールを用いて、この連続した反応により上記アルドール体の作りわけは完成した。 デイスコダーモライドの大量供給を可能とするための安価な出発物として、2-メチル-プロパン-1,3-ジオールを選んだ。片側を保護して導びかれたアルデヒド、2-メチル-3-保護オキシ-プロパナール、はラセミ体である。このラセミアルデヒドに対して、先に開発した"連続反応"を適用すると、第1段階としてアルデヒドの既存の立体中心に全く影響されないで、新しい炭素-炭素生成反応がほぼ完全なエナンチオ選択性で達成された。得られたα-ブロモアルドール体を用いて、第2段階ラジカル還元で、反応条件を変えることにより、シン体およびアンチ体のそれぞれが光学活性なジアステレオマーとして合成された。(この過程は、エナンチオ選択的な錯式立体制御における優いた触媒コントロールを含んでいる。) 簡便で優れた選択性をともなう新しい合成手法で得られたキラルな合成中間体を用いて、デイスコダーモライドの骨格合成が進展している。
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