研究課題/領域番号 |
12554033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡會 仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091771)
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研究分担者 |
塚原 聡 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50207338)
文珠四郎 秀昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80191071)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 電磁泳動 / 泳動分離法 / 磁気泳道 / 超電導電磁泳動 / ラテックス / 吸着力測定 / Adsorption force / Capillary Magnetophoretic chromatography |
研究概要 |
環境試料や生体試料中の微小粒子やコロイド粒子を破壊することなく分離し、キャラクタリゼーションを行う方法の開発は、今日の環境科学・生命科学における大きな課題の一つとなっている。我々は、電場と磁場が溶液内の微粒子に同時に作用したときに生ずる電磁浮力に注目し、新しい泳動分析法を開発した。 1)キャピラリー電磁泳動法の開発 キャピラリー内の微粒子を含む溶液に電流を流し、電流に直交するように磁場を印加することにより、微粒子をキャピラリーの壁方向に泳動させることに成功した。キャピラリーに溶液を流した状態で、微粒子の電磁泳動速度を測定した。この測定結果より、微粒子の表面伝導度の推定が可能となった。 2)電磁泳動力によるpNレベルの吸着力の測定 電磁浮力の強さを電流値により制御し、これにより溶液内の微粒子がキャピラリー内壁に吸脱着する際の力を計測する新しい方法を開発した。この方法は微粒子に触れることなく、完全な密閉系で微粒子の吸着力を測定でき。しかも、通常の原子間力顕微鏡の感度がnNであるのに対して、本法はpNの感度を有し、1000倍も高感度である。この方法を用いて、シリカ表面への種々の微粒子の吸着力を測定した結果、微粒子とシリカとのvan der Waals力が支配的であることが分かった。さらに、界面活性剤を添加すると、壁と微粒子との間に界面吸着剤が入り込み、その距離が数ナノメーター増大するため、付着力が低下することが示唆された。 3)キャピラリー電磁泳動吸脱着クロマトグラフィーの開発 キャピラリー内に印加する電流の方向とパターン、および流速を制御することにより、微粒子の壁への吸着時間を制御し、溶出時間に差を生じさせることに成功した。これにより、付着力を利用した単一微粒子レベルでのフロー分離が可能となった。
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