| 研究概要 |
本課題は心拍変動解析のためのソフトウェアを開発するものである。本年度は差圧式電子スパイロメータを導入し,心拍変動と呼吸との関連の検討を行った。またこれと平行してWindows上で動作する簡便な心拍変動測定・解析ソフトウェアの開発を行った。ソフトウェアはオンライン計測方式のものとオフライン計測方式のものと2種類開発した。オンライン計測式のものは生体アンプ,ADコンバータ,パーソナルコンピュータを用いて心拍変動を測定し,FFTもしくは最大エントロピー法によるパワースペクトルを得ることができる。これに対してオフライン式の計測システムではフィンランドのPOLAR社製のハートレートモニタS-801を用いて心拍間隔データを記録し,これをコンピュータに取り込んだ後,開発した解析ソフトウェアでパワースペクトル等の解析値を得るものである。本課題で当初想定していたのは前者のオンライン式解析システムであったが,POLAR S-801を用したオフライン式の解析システムでは生体アンプが必要ないことから,特に実験室外でのフィールド実験の際には有利であり,本課題の趣旨からいってもより有効な測定・解析システムになるのではないかと期待される。しかしトランスミッタ式なので電波障害等に弱いことがわかり,現在これの対策を検討中である。このシステムでは6〜8時間程度の長時間連続記録が可能であるが,このような場合はどうしても欠損値が出てくる。今年度はこの欠損値の半自動修復ソフトウェアも開発した。これはS-801付属のソフトウェアのような前後の値から単純に補完するのはなく,時間軸の整合性を保つように配慮されている。14年度末よりこのオフライン式測定・解析システムを用いた終夜睡眠中のHRV計測の実験を開始した。
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