研究分担者 |
近藤 徳彦 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70215458)
福場 良之 広島女子大学, 生活科学部, 教授 (00165309)
井上 芳光 大阪国際女子大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
芝崎 学 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (00314526)
塩尻 智之 横浜市立大学, 理学部, 助手 (80275023)
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研究概要 |
身体運動への適応能力を研究する上で必要な生理的計測肢術(有酸素運動能力,酸素運搬機能と筋肉の酸素利用機能の計測技術)を検討した。特に,超音波ドップラー法による心拍出量と活動筋の血流量,近赤外分光測定法による酸素利用機能の計測技術を検討した.結果:心拍出量と活動筋血流量の連続測定が可能となり、運動の開始時においては酸素摂取応答に比べて,中心および末梢循環の応答がより速いことが確認された。したがって、酸素摂取応答の規定要因は酸素運搬能力ではなく,運動筋自体の酸素利用能力と考えられる.さらに、運動筋微小循環の酸素分圧(動物実験)とヒトにおける酸素化状態の測定結果を比較し、運動開始時における運動筋の酸素利用能力が、運動筋内部の酸素能に依存すると推測された。また,呼吸変動が酸素摂取量の応答特性に与える影響を調べた。 体温調節の動的特性を調べるために循環スーツ内温度を急激に変化させた場合、皮膚温や皮膚血流量も急激に変化した。特に,末梢部の変化が大きく,スーツ温下降の方が生体反応の追従性がより早い.本法により体温調節機構の動的特性を十分に評価できると考えられた.また、昨年度にヒトの皮膚血流量を準定量的に測定できることを認めたレーザードップラー式血流画像化装置で下肢温浴時の胸・人腿の皮膚血流量を高齢者と若年成人とで比較検討した。その結果は、老化が下肢から始まるという我々の先行研究結果を支持する。温熱負荷中にコリン作動性神経から放出されるアセチルコリンは、一酸化窒素(NO)メカニズムを介して能動的皮膚血管拡張に関係する可能性がある。マイクロダイアリシス法を用いた結果から、コリン作動性アセチルコリンは、初期の皮膚血管拡張には関連するが、皮膚血管が十分に拡張した後にはほとんど効果がないことが示された。
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