研究課題/領域番号 |
12555002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾鍋 研太郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50204227)
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研究分担者 |
黄 晋二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50323663)
白木 靖寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00206286)
片山 竜二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (40343115)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 窒化物半導体 / 立方晶窒化物半導体 / 立方晶窒化ガリウム / 立方晶窒化インジウム / MOVPE / RF-MBE / フォトリフレクタンス / ヘテロ構造 |
研究概要 |
立方晶窒化物半導体からなるInGaN/GaNやAlGaN/GaNなどのヘテロ構造にもとづく光デバイスおよび電子デバイスの実現可能性を明らかにすることを目的として本研究を進めてきた。GaAs上のGaN薄膜に関しては、GaN中間層およびAs圧印加の採用など、有機金属気相成長(MOVPE)法における成長条件の改良により、六方晶混入比1%以下の高相純度立方晶GaN薄膜の成長を達成するとともに、結晶欠陥起因の深い順位による発光の抑制された高輝度発光を実現した。さらに、高分解能の透過型電子顕微鏡観察により、立方晶GaN薄膜中の結晶欠陥および六方晶相の混入形態の微構造的特徴および発生要因を明らかにした。また立方晶GaN薄膜へのSiドーピングにより、低抵抗のn型電気伝導を示す薄膜の作製に成功した。微細パタンマスクを用いたGaN選択成長においては、特定のパタン方位および成長温度において相純度の高い立方晶GaNが得られることを明らかにした。立方晶GaN/GaAsヘテロ界面の性質に関しては、ヘテロ界面の価電子帯側に大きなバンド不連続が存在することによりヘテロ界面への正孔の蓄積ともなうp型伝導が生じることを明らかにした。またこのような界面特性に伴う界面近傍の伝導経路の存在を、光バイアス光伝導測定法および光バイアスエレクトロリフレクタンス法などの測定手段を新たに開発することにより明らかにした。同時にヘテロ界面のバンド不連続構造の詳細を明らかにした。窒素源として窒素のプラズマ励起を用いた分子線結晶成長においては、サファイアおよびGaAs基板上の六方晶および立方晶GaN、InNの成長特性を明らかにし、MOVPE成長と同等の結晶品質が得られることを実証した。これらの成果は、立方晶窒化物半導体にもとづく光デバイスおよび電子デバイスの実現に道を開くものであり、本研究の当初の目的は研究期間内にほぼ達成された。
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