研究課題/領域番号 |
12555003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
戸木田 雅利 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30301170)
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研究分担者 |
古木 誠 富士セロックス(株), 総合研究所, 主任研究員
荻野 賢司 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (10251589)
渡辺 敏行 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10210923)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 高分子 / ポリマーブレンド / 偏光板 / 光散乱 / ポリカーボネート / 複屈折 / 繊維 |
研究概要 |
液晶表示素子に用いられる偏光板では、ポリマーの延伸フィルムに含有させたヨウ素や二色性色素の光の吸収により直線偏光が得られている。しかしながら、このような吸収を利用した偏光板では、原理的には入射光の50%の透過光しか得られない。それゆえ、透過光強度を損なわずに直線偏光を得る方法が求められている。我々は延伸しても複屈折が殆どゼロである変性ポリメタクリル酸メチル(OZ)とポリカーボネート(PC)あるいはポリエチレンナフタレート(PEN)との配向二相系ブレンドフィルムを用いると、簡単に偏光特性が得られることを見出した。PCをマトリックスとしたブレンド型偏光素子を作製するにあたり、各延伸倍率での高分子単体試料の屈折率及び複屈折を測定した。PCをマトリックスとした非晶性高分子ブレンド系では延伸温度がドメイン高分子のガラス転移点より高温となるため、ドメイン成分が配向緩和し、複屈折の発現は見られなかった。そこで、PCがマトリックスとなる数種のブレンド試料を作製し、マトリックス・ドメイン間での屈折率差、並びにドメイン形態の偏光特性への影響を検討し、材料の最適化を行った。さらに、ブレンド組成とドメイン形態に着目し、PC/スチレン・アクリロニトリル共重合体ブレンドにおいて、延伸軸に対して垂直方向のドメイン径制御が行えることを見出した。また、本研究で作製した非晶性高分子ブレンドを用いた偏光素子と、既に報告されている結晶・非晶性高分子ブレンドを用いた偏光素子を比較した。非晶性高分子材料では結晶性高分子材料に比べて複屈折が小さいために、通常のブレンドではコントラストの低い偏光素子となってしまうこと、及び非晶性高分子ブレンドを用いた偏光素子ではドメイン形態の制御が重要となることを確認した。 本研究で得られた知見から非晶性高分子材料ではコントラストの高い偏光素子を作製するためには、ドメイン形態が重要であることを見出した。また、得られた知見を基に、繊維材料をドメインとして用いた新規複合型偏光素子を開発した。また、この偏光素子が有機電界発光素子の偏光板としても有用であることを示した。
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