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2002 年度 実績報告書

電子-イオン・コインシデンス分光を用いた表面分析装置の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 12555007
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

間瀬 一彦  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (40241244)

キーワード表面分析 / 放射光 / 電子-イオンコインシデンス分光 / オージェ電子分光 / X線光電子分光 / イオン質量分光
研究概要

電子-イオン・コインシデンス分光法は、特定の光電子放出終状態あるいはオージェ終状態に由来するイオンの質量と収量を測定する手法であり、(1)表面水素を高感度で検出でき、水素が結合している原子を特定できる、(2)表面の組成と化学的状態を高感度非破壊で分析できる、(3)操作性が高く初心者でも扱える、など、表面分析法として優れた特性を持っている。本年度の成果は以下の4点である。
1.同軸対称鏡型電子エネルギー分析器とコンパクト飛行時間イオン質量分析器、xyzステージから構成される高感度高分解能電子-イオン・コインシデンス分光装置を改良し、S/B比を従来の10倍に改善するとともに操作性を向上させた。
2.同心円状3分割アノード型MCPを用いてコンパクト極角分解型飛行時間イオン質量分析器を開発し、電子一極角分解イオン・コインシデンス分光装置を製作した。本装置は、特定の光電子放出終状態あるいはオージェ終状態に由来するイオンの質量と収量、脱離極角、運動エネルギーを測定できる。
3.電子-極角分解イオン・コインシデンス分光法をsi(111)清浄表面のXeF_2によるフッ化過程の測定に応用した。その結果、Si-F結合が表面法線方向に配向しているSiF種とSi-F結合が表面法線方向から傾いているSiF_3種を識別してF^+脱離過程を研究することに成功した。
4.電子-極角分解イオン・コインシデンス分光法を凝縮H_2Oの4a_1←O:1s共鳴励起誘起H^+脱離機構研究に応用した。その結果、イオン脱離機構には2種類あり、その比率が表面法線方向に脱離するH^+と法線から20度以上傾いた方向に脱離するH^+とで異なることを見出した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] E.Kobayashi, K.Isari, K.Mase: "Excitation site-specific ion desorption study of Si(111) surfaces fluorinated by XeF2 using photoelectron photoion coincidence spectroscopy"Surf.Sci.. 528. 255-260 (2003)

  • [文献書誌] K.Isari, E.Kobayashi, K.Mase, K.Tanaka: "Construction and evaluation of an electron-ion coincidence apparatus using a large transmission coaxially symmetric mirror electron energy analyzer"Surf.Sci.. 528. 261-265 (2003)

  • [文献書誌] K.Mase, M.Nagasono, S.Tanaka, T.Sekitani, S.Nagaoka: "Ion desorption from molecules condensed at low temperature : A study with electron-ion coincidence spectroscopy combined with synchrotron radiation"Fizika Nizkikh Temperatur. 29. 321-341 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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