研究概要 |
近接場光による高密度光記録再生ヘッドは高分解能のみでなく発生検出効率が高い、高速かつ安定に走査可能、高い追尾制御精度が不要、などを具備しなければならない。本研究はこれを満たす為に平面ガラス基板上に配列したシリコン製のピラミッド型の2次元アレイによる記録再生ヘッドを開発することを目的としている。これまでに次の実験および解析を行った。 本件の準備段階の研究により高効率ファイバプローブを実現したが、そのスポット径をさらに小さくするために,高屈折率物質であるシリコンを用いた手法を提案し、実際に試作してその妥当性を測定により確認した。また,プローブのアレイ化に向けた作製法を提案し,各アレイの先端位置のばらつきが10nm以内に収まったプローブを作製した。 次に高効率かつ微小スポットの両特性が得られるプローブを高速に走査するためのプローブ作製指針を数値解析により示した。この解析結果に基づき超高密度(1Tb/in2)かつ超高速(1Gbps)の光記録・再生が実現可能な突起型シリコンプローブアレイを有する三点パッド型コンタクトスライダーを作製した。このプローブを用いて実際に相変化媒体による近接場光記録・再生実験を行った。先ず,近接場光記録の高密度性を示す為に,モード間干渉による高効率ファイバを用いて記録・再生を行うことにより,プローブ先端で得られるスポット径とほぼ等しい記録マークが得られることを確認した。さらに,突起型シリコンプローブアレイを有するコンタクトスライダーを用いた記録・再生実験では,最小記録マーク長110nm、ビットレート2Mbpsにおいて信号対雑音比として10dBを得,高密度であると同時に高速化も達成可能であることを示した。
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