研究課題
本研究では、LiNbO_3の電気光学効果を用いた光変調器の実用化のために必要な酸化物超伝導薄膜を用いた低温におけるマイクロ波特性、及び光変調器のマイクロ波動作特性を精密に評価することである。さらに、低駆動電圧化・広帯域化のための超伝導伝送線路の設計を行い、順次実証することによりマイクロ波・ミリ波のサブキャリア通信用光変調器を実現することを目的としている。平成13年度は以下の研究を行った。1)広帯域光変調器の開発(設計)マイクロ波フィルタの原理を応用して、変調帯域及び変調度を自由にコントロールできる広帯域光変調器を既存の電磁界シミュレータ(HP-Momentum)を用いて設計した。2)広帯域光変調器の試作高温超伝導電極及び、LiNbO_3基板を接合した、広帯域光変調器を試作した。なお、変調電極は小型化を考慮したコプレーナ構造を採用し、メアンダ線路を用いて共振器を作成したので、基板サイズとして、10mm角以内におさめることができた。3)光変調器のマイクロ波特性(10GHz)の評価衛星通信の帯域をターゲットとして、10GHz帯での高速変調動作特性の測定および評価を行い、超伝導電極導入による広帯域化・低電力化の特性について評価を行った。YBCO光変調電極の極低温での動作測定の結果、反射特性から得られる群遅延特性は、回路計算から算出したそれと比較して、同様な傾向をもつことを明らかにした。
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