研究課題
本研究では、LiNbO_3の電気光学効果を用いた光変調器の実用化のために必要な酸化物超伝導薄膜を用いた低温におけるマイクロ波特性、及び光変調器のマイクロ波動作特性を精密に評価することである。さらに、低駆動電圧化・広帯域化のための超伝導伝送線路の設計を行い、順次実証することによりマイクロ波・ミリ波のサブキャリア通信用光変調器を実現することを目的としている。光変調器の低電力化の評価として、超伝導コプレーナ電極を用いた電圧増幅回路を導入し、0.01GHz-20GHzのマイクロ波変調実験を行い低電力化の評価を行った。共振電極はMgO基板上に製膜した超伝導薄膜(YBCO)により作製した。電極作製には、九州大学VBL所有のEB露光装置を用いてガラスマスク上にパターンニングを行い、ウエットエッチングにより作製した。電極構造はコプレーナ構造とした。変調用電極は共振型とし、共振周波数は10GHz付近とした。また、貼り合わせによりLiNbO_3光導波路と共振電極を一体化した。変調実験には既有のスイープオシレータおよびネットワークアナライザを用いた。直流電極実験により、DC電圧に対して、出力光の周期的な変化が現れ、半波長電圧(Vπ)の測定が可能となった。また、10GHz付近における、3段の広帯域光変調器を設計し、極低温(28K)における、群遅延特性を観測した。
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