研究課題/領域番号 |
12555015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野 崇人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90282095)
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研究分担者 |
阿部 宗光 アルプス電気(株), 研究所, 研究員
江刺 正喜 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20108468)
田中 秀治 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00312611)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 高密度記録 / マイクロマシニング / 走査型プローブ / 高感度センサー / 近接場光学顕微鏡 |
研究概要 |
マイクロマシニング技術は、様々な微小電気機械システムの開発に役立ち、幅広い分野で用いられている。これまでの研究により従来マイクロのスケールであったマイクロマシンの寸法を更に小さくしたナノスケールのメカニックスを利用すれば、従来の微小電気機械システムの性能を更に向上させることができることが分かった。センサーを更に小型化した高感度・高速応答の微小電気機械システムを利用し、高密度記録デバイスを作製・評価するのが本研究の目的である。また、実現に必要な様々な基本要素を開発する。 通常用いられている光磁気装置では、レーザー光により記録磁気媒体を加熱し、かつ電磁コイルにより磁性媒体の磁化方向を変化させる。記録・消去は、磁化膜の温度がレーザー光によって加熱された部分のみ起こる。レーザー光を用いた場合は、光の回折限界によって決まるスポットサイズにより、記録密度が決まってしまう。本研究では、走査型プローブ顕微鏡などで利用されるマイクロプローブを複数並べた"マルチプローブ"を試作した。数十nmサイズのナノヒーターの高速・熱応答性に着目し、このマルチプローブではナノヒーターをマイクロプローブへ集積化し高速の書き込み、読み出しを可能とした。また、複数のプローブを同時に動作させるため、ICと個々のプローブを直接、金属配線で結ぶ、配線技術も開発した。 ナノスケールのサイズを持つマイクロプローブを用い、記録媒体の微小部分を加熱しその磁化を反転させる、あるいは相変化を起こさせる。この目的に必要なナノサイズの抵抗配線を内蔵するプローブアレイを作製した。加熱は抵抗部分に電流を流して行う構造とする。プローブ先端に異種金属の接合を形成しているため、温度の計測も可能になった。記録方式を誘電体記録および相変化型で比較検討した。また熱記録・読み出しに最適な記録媒体およびその構造について検討した。テストデバイスを作製し、記録・読み出しの基礎実験を行った。プローブを複数個並べて、アライメント(トラッキング)動作の必要ない構造を作製した。また、高感度に記録ビットを計測するための、高速・高感度の振動子を設計・製作し,評価した.以上、マルチプローブによる高密度記録装置を試作し、将来の1Tbis/inch2の書き込みを実現できる見通しを得た。
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