研究課題/領域番号 |
12555018
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
堂山 昌男 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (40010748)
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研究分担者 |
津野 勝重 日本電子株式会社, 基礎研究部, 第一研究室長
栗原 俊一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60215069)
小暮 嘉明 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (20016124)
村上 雄 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (60016681)
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キーワード | 陽電子 / 顕微鏡 / 電子顕微鏡 / 電子顕微鏡の改造 |
研究概要 |
物質は原子核とその回りの電子から成り立っているので、陽電子か物質に入ったときには、原子核から遠いところを通って侵入する。電子はその反対に原子核に引き寄せられる。したがって、電子顕微鏡の代わりに陽電子顕微鏡が出来ると、試料の深くまで侵入、すなわち試料に損傷を与えることが少ない。生体材料の観察にむいている。 本研究では陽電子をタングステン箔により、1eV程度の速度に減速し、これを収束して、電子顕微鏡の加速電圧を負から正に代えて、加速、収束、拡大を行うものである。本年度は陽電子レンズの設計を行った。3つのアインツエルレンズを設計し、1段で約10分の1に収束させ、ニッケル箔を用いて再び減速、再度加速、収束をし、改造電子顕微鏡に投入する設計を完了した。 予備実験として、京都大学原子炉において、陽電子は弱かったが、アインツエルレンズ1段の実験を行い、大体、設計通りになることが分かった。 本実験の特徴は何十年もかけて、培われた、電子顕微鏡の市販技術をそのまま利用するところにある。日本では陽電子顕微鏡の研究を行っているのはわれわれのみである。世界において、電子顕微鏡の技術を借りないで、素人が電子顕微鏡を作るとこらから始めているので、うまくいかいと思われる。 設計も完成したので、あとは、現物を電子顕微鏡製造会社に作らすだけである。それには研究費が少なすぎる。予定より前倒しで早く設計が完成した。
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