研究課題/領域番号 |
12555019
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研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
研究代表者 |
藤井 洋郎 阿南工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00291980)
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研究分担者 |
中西 秀樹 徳島大学, 医学部附属病院, 教授 (90164235)
中村 雄一 阿南工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (40259940)
伊丹 伸 阿南工業高等専門学校, 制御情報工学科, 講師 (60212982)
室 幹雄 川崎重工業(株), 光技術研究部, 課長(研究職)
橋本 一郎 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (70314870)
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キーワード | ヨウ素レーザ / 励起酸素 / 放電励起 / プラズマジェット / ホロー電極 / 励起率 / 医療用レーザ / 生体組織融合 |
研究概要 |
(1)酸素の励起過程を学外の協力を得ながら理論解析した。結果、ヨウ素レーザ作動圧である数torrの領域では、ガス温度は励起酸素生成に望ましい温度となるが、電子温度は若干高めとなる。従って放電領域で生成するプラズマを、酸素ガスを高速で流すことによりアフターグロープラズマとし、その再結合領域、すなはち下流の電子温度を低下させ利用することが、励起酸素生成に好ましいことがわかった。その時、理論励起率は35-40%が期待できる。 (2)励起酸素生成実験を行った。励起酸素発生器はホロー電極を有し、酸素および他の混合ガス(窒素、一酸化窒素、二酸化窒素など)のプラズマジェットが生成される構造を有している。周波数100MHzのRF電源を用い、0-200Wの範囲で入力を変化させ、励起酸素の生成率を光スペクトルアナライザを用いて計測した。この時の励起率は25%程度であった。ここで、理論解析結果を踏まえ、アフターグロープラズマ領域に混合ガスを直接投入し、温度等の状態を変化させた。実験の結果、励起率を35%まで高めることができた。 (3)発振実験を行った。発振に必要な、ヨウ素原子間に反転分布を生じさることができる酸素の励起率は理論値で17%である。励起酸素生成実験にて35%の値を得た条件のもとで、ヨウ素と混合させた。最初、共振器にウインドウを取り付け、励起ヨウ素原子からの発光強度よりヨウ素条件を最適化した。ついで、共振ミラーを取り付け発振出力を計測した結果、出力としてはmW未満であったが、6倍の増幅現象(発振)を計測した。 (4)レーザによる組織融合を用いた微小血管吻合実験を行った。ラット腹部大動脈を対象に、適切なレーザ照射エネルギの設定と吻合成功率、動脈瘤形成率の算出を行った。その結果、吻合成功率は縫合糸による吻合と有意差はなかったが、動脈瘤形成率ではレーザによる吻合で、より多い傾向が見られた。
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