研究課題/領域番号 |
12555019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
研究代表者 |
藤井 洋郎 阿南工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00291980)
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研究分担者 |
中西 秀樹 徳島大学, 医学部附属病院, 教授 (90164235)
中村 雄一 阿南工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教授 (40259940)
伊丹 伸 阿南工業高等専門学校, 制御情報工学科, 講師 (60212982)
室 幹雄 川崎重工業株式会社光技術研究部(研究職), 課長
橋本 一郎 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (70314870)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | ヨウ素レーザ / 励起酸素 / 放電励起 / 励起率 / 放電式ヨウ素レーザ / 医療用レーザ / 生体組織融合 / 血管吻合 |
研究概要 |
放電式ヨウ素レーザは、欧米では航空機搭載型軍用レーザとしての利用を目指し、特にCU-Aerospace社(米)が空軍予算のもとで積極的な開発を行っており、当研究チームの最大の競争相手である。2000年に放電によるヨウ素レーザ光の増幅現象を他に先駆け計測した我々は、本研究期間が終了した2003年3月まで、装置のバージョンアップを行うなど種々の対策を講じながら、mWレベルの出力達成を目指してきた。しかしながら、海外研究グループも含め、未だ出力を取出すに至っていない。3年間の研究期間を通じて得られた成果は、出力取出し条件を3つに絞り(励起率向上、ヨウ素の放電解離、レーザガス冷却)、それぞれに現実的な達成目標とそのための設計データを得たことである。本研究は昨年度で終了したが、幸い新たな予算獲得に成功し、これら設計データをもとにすでに新バージョンの設計を終了しており、2004年度中にmW出力を達成すべく努力しているところである。 生体組織融合の研究では、光源としてヨウ素レーザに近い波長1.06μmを有するYAGレーザを用い、ラットの腹部大動脈を対象に血管吻合を実施した。吻合部の組織学的所見では異物反応がほとんど認められず、正常血管構造の回復が縫合系のみによるより早期に認められ、吻合部に一次的に出現する狭窄症状も早く消退することが観察された。しかしながら、本方式による血管吻合では動脈瘤の発生傾向が見られ、この発生を抑制するために膜性組織による補強を行った。結果、動脈瘤の発生は完全に抑制され、長期観察においても膜性組織の変性、壊死などの合併症は見られなかった。以上より、膜性組織による補強を行ったレーザによる血管吻合は、脆弱性から生じる合併症に関しては縫合系のみによる血管吻合術と同等と考えられ、簡便性、時間短縮性、創傷治癒良好性などを総合的に評価すると、非常に有効な方法との結論を得た。
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